脳の話はイエス
「ヒトミちゃんと同じ事だよ」
「ウソ~!そんなエッチな事考えてたなんて、コウジ君嫌い!」
なんてんで、意味不明な仕打ちを受けた方もあるかもしれませんが、
人の頭の中というのは、他人には絶対に判りませんよね。
むしろ判らないからこそ、
心が読まれなくていいという側面もあるんでしょう。
ところがここへきて、
人間の脳内の映像を再現して、
他の人も見られるようにする事が
可能になるかもしれないそうですね。
米カリフォルニア大学バークリー校の科学者が、
人間が見た光景を再構築する事に成功したらしいですね。
この実験では、被験者3人が映像を見ながら、
視覚野の活動を『fMRI』(機能的磁気共鳴画像)というもので測定し、
映像の形や動きと脳の活動パターンを関連づけるモデルを作成しましてね。
このモデルを使って、脳の活動から、
被験者が実際に見た映像と似た映像を再現した結果、
不鮮明ながら人の姿らしきものや、
象が歩く場面に似た黒い影が動く映像が再現されたそうですね。
ただ現時点では、人間が実際に見た映像しか再現できず、
人の心を読めるという段階には程遠いんですが、
夢や記憶など、他の人間には見えない脳内の映像を
再現する道への第一歩になる事は確実ですね。
よく警察の取調室での可視化なんという事が言われる昨今ですが、
脳内の映像が見られるようになれば、尋問や拷問も必要なくなりますよ。
「俺はやってねえよ!殺してなんかいない!」
てな事を言っていても、脳内の記憶映像を見れば、
2時間ドラマの回想シーンの如く
鮮明な犯行時の場面が見られますからね。
事件の目撃者の証言だって、記憶違いが疑われた時には、
裁判でその映像をモニターで見せればいいだけですからね。
ただ映像を再生する場合、順番に気をつけないと、
『これが証人の目撃時の映像です』なんてんで検察官が再生した途端に、
事件の目撃直前、証人がレンタルショップで
アダルトDVDを借りてた時の映像が
再生されちゃったりしかねませんからね。
将来的には、頭の上に
再生用のモニターを付ける事が義務化されたりしてね。
常に自分の考えている事が他人に丸判りの状態で
生活しなくちゃいけないわけですよ。
いわゆる『むっつりスケベ』なんて呼ばれる人たちは、
街中を歩いただけで逮捕ものですよ。
そうなりますと、冒頭の会話なんかでも、
「コウジ君、今何考えてたの?」
「ヒトミちゃんと同じ事だよ」
「ウソ~!そんなエッチな事考えてたの?…あ、本当だ、映ってる。
でもこれ、相手は私じゃない…この浮気者!コウジ君嫌い!」
なんてんで、嫌われる理由が微妙に変わってくる可能性はありますよね。
微笑亭さん太