バンジー休す、じゃありません
究極のスリルというと『バンジージャンプ』
という事になるんでしょうかね。
足首をゴムロープで縛り、高層ビルですとか橋、
鉄塔といったような高い場所から飛び降りるアトラクションですが、
見るからに危険で、『むしろ死なない方がおかしい』という感じですよね。
バンジージャンプの『バンジー』というのは、
ニュージーランド英語で『ゴムひも』の意味でして、
ゴムひもの事を『バンジー』、ゴムひものように味気ない蒸した鶏肉の事を
『バンバンジー』とは…言わないそうですね。
バンジージャンプが常設されているところは世界各国にありまして、
その中でも一番高いのが、マカオのマカオタワーから飛び降りるもので、
その高さ、233メートルだそうです。
そんな失神しそうな高さからバンジージャンプするくらいだったら、
ビルの4、5階から飛び下り自殺した方が、
助かる確率が高いんじゃないかと思ってしまいますね。
バンジージャンプをする場合、
誰でも絶対に気になるのが、ロープの強度ですよね。
文字通りの命綱ですから、切れたらえらい事ですよ。
「ねえ、この足首につけるロープって、切れたりしない」
「大丈夫ですよ。
百年は絶対に切れないという強度のロープを使用してますからね、
今まで98年使ってて、切れた事はありません」
…これは不安になりますよね。
バンジージャンプの途中で
ロープが切れるなんて事故は想像したくもないんですが、
実は昨年の大晦日に、海外で実際にありましてね。
アフリカ南部のジンバブエとザンビアの国境を流れるザンベジ川で、
観光客の22歳の女性が、
高さ111メートルの橋からバンジージャンプをしたところ、
ロープが切れるというアクシデントに見舞われたんですね。
ここは世界三大瀑布のひとつ、ビクトリア滝に近く、
このザンベジ川はワニがいる川なんですね。
バッグ以外で『ワニ川』の好きな人はいないでしょうから、
大惨事は確実と思われたんですが、何とその女性は
自力で岸に泳ぎ着いて生還しましてね。
鎖骨骨折程度で済んだという事で、まさに奇跡だったんですね。
ここでのバンジージャンプは10年前から始められ、
これまでに約5万人が挑戦しているそうですが、事故は始めてなんですね。
ザンビアの観光大臣は『事故の確率は50万分の1だ』と仰ってるそうなので、
今回の事故が起こった事によって確率的に
今後45万回は事故が起こりそうにないという事になりますから、
安心してチャレンジできますよね。
「最近、ザンベジ川のワニの数が、劇的に増えたらしいね」
「うん、政府がね、再びバンジージャンプの事故が起こっても、
事実を隠蔽できるようにらしいよ」
そんな理由でワニを『追加』されたら嫌ですよね。
このバンジージャンプが色んな国に渡ると、
きっとお国柄が出るんでしょうね。
ロシアでは、いくつかあるロープのうち、
一本だけ切れやすくなっている『ロシアンバンジー』とか、
中国では長い城壁から飛び降りるという、
『バンジーの長城』なんてのが出てくるんじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太