婆さんや、ネタはまだかい?
一昨日、昨日と、連日の悪質商法の出前講座です。
ふれあいセンターというのは介護、福祉等の総合施設的なもので、
ちょっとしたスポーツジムや温泉などもあります。
この日も、地元の老人会の皆さんに呼んでいただいたんですが、
会場となった和室の隣に休憩室なるものがあり、
数人のお年寄りたちが世間話をしておりました。
私は着物に着替えて、その休憩室の前あたりでスタンバってたんですが、
休憩室の中にいたお婆ちゃん3人組が、
「…今日は何か、踊りの会でもあるの?」
「あ、いえ、今から落語を演るんですよ」
「へえ~、落語なんだ。…ちょっとお兄さん、こっちにおいでよ」
無理矢理、中に連れ込まれましてね。
「お茶飲む?」
「いや、もうすぐに出番なので(汗)」
「お茶の一杯くらい大丈夫でしょう」
…『年上』の女性にナンパされたのは初めての経験でした。
もう嬉しくて、天にも昇るような心持ちで……もっとも、天に昇るのは、
そのお婆ちゃんたちの方が先でしょうが…
終演後、帰ろうとしていたら、
一昨日の市田町市民館の出前講座の責任者だった方に
バッタリとお会いしてしまいました。
どうやらここの温泉に入りに来られたらしいんですが、全くの偶然でした。
「昨日の会は評判よかったよ」
「ありがとうございます。どんなテーマでも落語にして演りますので、
よろしかったら声をかけてください」
「ああ、そうなんだ。…認知症なんかでも作れる?」
「ええ、もちろん依頼していただければ。作りましょうか?」
「……え?」
「作りましょうか?」
「……え?」
「いや、ですから、作りましょうか?」
「…何の話してたっけ?」
これは依頼を受けても、果たして完成まで覚えてくれていてくれるかどうか…
まるで、ネタの一部のような会話を交わしてしまいました(笑)
微笑亭さん太