ボケのアーティスト、降臨!
毎年恒例となっている、銀行主催の年金受給者対象の新春落語会で、
落語の後には豪華福袋が当たる抽選会もあります。
抽選会に参加するためには、
先に1時間、我々の落語に耐えなければならないという、
『アメとムチ』がワンセットになった寄席です。
この日も福袋目当てに、80名くらいの方がお見えになりました。

私を含めて2名出るのですが、今回はご覧のように、
すっとこどっこいなセーターを着た鶴橋減滅渡さんとの共演です。
私が『検問は大騒ぎ』、ヘルさんが『寝床』でしたが、
『あんたら、笑えや~!』と、中腰で立ち上がって客席を脅す
ヘルさんの姿をとらえてみました。

この寄席を仕切っているのは、
小市民寄席での踊りのズレ方がもはや芸術の域に達していると評判の、
夢見亭初音さんです。
毎回お会いするたびに、
予想もしない角度からのボケの応酬で圧倒されてしまう私ですが、
昨日もお会いして第一声が、
「あ、さん太、ご苦労様。こっちが楽屋だから、
中でさん太が待ってると思うから、さん太も中に入っててね」
という、まるで『ドッペルゲンガー』の存在を
認めるかのような発言をかまされました。
終演後、天狗連でやっている俳句の会の話になった時も、ヘルさんが
「いや~、もう俳句も『ネタ切れ』ですわ」
「えっ?誰が?」
「いや、私がですよ」
「ヘルちゃんは、どう見ても違うでしょう。誰か身内の人なの?」
「……あの~、何の話ですのん?」
「だって今言ったでしょう、『寝たきり』って」
…これは、踊りのズレ方だけではなく、
聞き間違いも芸術の域に達しているようです。
来週は、同じ会を豊橋会場でやりますので、
また初音さんにお会いします。
どんなボケの嵐が吹き荒れるのか、今からワクワクしてます。
微笑亭さん太