寿楽、寿楽、五劫のすりきり…
『寿楽荘』という老人福祉施設です。
建物の中に温泉や娯楽施設も色々あり、
ちょっとした『お年寄りのパラダイス』といったところでしょうか。
私が入って行くと、老人会の係の方が、
「出前講座をやられる方ですか?」
「はい、そうです。よろしくお願い致します」
「ご苦労様でございます。…それで今日は、何の講座をやりに来られたんですか?」
…えっ、全く把握せずですか?
『内容は判らないけど、とりあえず呼んでみようか~』
みたいなノリだったんでしょうか(笑)
娯楽施設的な部屋を覗くと、お年寄りの方々が卓球をされてました。
いつもやられているようで、レベルの高い
見事なラリーが繰り広げられていて驚きました。

マッハの速度で動くお年寄りを初めて拝見したので、思わず
「いや~、卓球お上手ですね。いつ頃からやられてるんですか?」
「……さぁ~!!」
これもまたレベルの高い、福原愛ちゃんのモノマネで答えてくれました。
さて落語の方はというと、
私が上がる前に老人会の会長さんが
ご挨拶をされてから上がるという段取りになってました。
私は袖で、会長さんのご挨拶を聞いてたんですが、
「…ご承知の通り、
今年は東日本大震災という未曾有の大災害がございました。
家や家族を奪われ、悲しみのどん底に沈んだ方も多くいらっしゃいます。
そして、その後に起こった原発の事故、それに伴う風評被害と、
不幸な出来事がこれでもかと言うくらいに押し寄せました。
それ以外にも、日々発生する交通事故、子供が巻き込まれる虐待事件など、
我々が考えなくてはならない問題、解決すべき問題が山のようにあります。
そういう悲惨な出来事が毎日繰り返されているという事実を、
我々は忘れてはいけないわけです。
…それでは、微笑亭さん太さんの楽しい落語です。どうぞ…」
…ちょっと会長さん、この空気!
どうなる事かと思いましたが、
皆さん熱心に聞いて笑ってくださったので、とりあえずよかったです。

蒲郡と言えば、
日曜日の『福寿稲荷寄席』の後、栄歌さんたちと街中を歩いていると、
無眠さんの息がかかっているであろうと思われるお店を見つけました。
こんなところに『竜宮亭無眠・蒲郡支部』があろうとは…
感心しながら帰ってきました。
微笑亭さん太