江に入っては江に従え
上野樹里さん主演の『江』が放送されてますよね。
ストーリーも佳境に入ってまいりましたが、あのドラマ、
正式なタイトルは『江~姫たちの戦国』なんですが、
本当は『江~カンタービレ』じゃないかなんて話もありましてね…
何をやっても『のだめ』に見えてしまうという…
役者さんというのは、インパクトの強い役があると、
どうしてもそういう目で見られてしまいますよね。
しかしこの『江』は、1963年に放送された大河ドラマの第一作、
『花の生涯』から数えて50作目という、節目の作品なんですね。
ですから当時のスタッフは、
「『花の生涯』以降、あと49作品は、歴史上の誰を扱おうか?」と、
随分頭を悩ませたでしょうね~。……違いますか?
大河ドラマの魅力のひとつとして、
通常のドラマでの主役級の俳優が共演するという豪華さが上げられますね。
その上、アイドルや歌手、お笑い芸人といったような、
色んな意味でスリリングななキャスティングもあったりします。
また、新人や無名の俳優が、出世するきっかけにもなってますね。
第3作の『太閤記』には、
緒形拳さんや石坂浩二さんが出てらっしゃるんですが、
当時は全くの無名だったんですね。
また第25作『独眼竜政宗』で主演した渡辺謙さんは、
番組での好演がきっかけで一躍有名になり、今やハリウッドスターですからね。
宣伝効果は『ダテ』じゃないですね。
50作の中で、
放送回数が多く視聴率も高いのは、戦国時代の武将たちですね。
中でも三英傑の織田信長、豊臣秀吉、徳川家康は何度も登場してまして、
秀吉が16回、家康が19回も登場してるそうでして、
2時間サスペンスに船越栄一郎さんが出ている以上の頻度ですよね。
それだけ人気が高い、テッパン人物という事なんでしょうね。
大河ドラマというのは、その人物だけではなく、
舞台となる土地にもスポットを当てますよね。
大河ドラマに取り上げられる事によって、
観光客が激増するという事にもなりますから、
NHKには各地から『地元の人物を取り上げてほしい』という
要望が殺到しているようですね。
そういう、ドラマで取り上げるに値する人物がいる土地はいいんですが、
いない土地は困りますよね。
たまには普通の農民とかを取り上げてみても面白いですよね。
『大河ドラマ 小作人・田吾作』とかね。
毎回毎回、田吾作さんが田植えや草むしりをしている様子を、
延々ゴールデンタイムで流すわけですね。
しかし時には、
作物を食べにきたカラスを撃退するアクションシーンとか、
昼食の握り飯に入っていた梅干の浸かり具合にニッコリする心温まるシーンとか、
面倒だからと刈入れサボるヒューマンなシーンもあったりするんですね。
これ、CGを多様した合戦のシーンなんかに飽き飽きしていた人たちに支持され、
結構視聴率を採るんじゃないですかね。
微笑亭さん太