落語ファンの憂鬱

とある噺家さんのファンになって、
その方の独演会に足しげく通う
追っかけになるというというのはよくある事です。
でも、
短期間の間に何ヶ所かの落語会を聴きに行くと、
行く先々で同じネタを演られて閉口したという事はありませんか?
地方での落語会の場合、
やはり安定したウケが取りたいというのが演者の心理です。
そこで、確実にウケが取れる『営業ネタ』というのを、
どの噺家さんも数本持っていて、
それを地方の落語会でかける可能性が凄く高いですよね。
だから行く先々で
同じネタに当たってしまうという現象が起きるわけです。
やはり噺家さんは生活かかってますから、
次回も呼んでいただけるような実績を残したいわけですね。
東京近辺だと、マニアのお客さんも多いですから、
割と実験的なネタも演るんでしょうが、
地方の営業では、確実性を求めたい、
その演者としての心理は凄く判ります。
しかしお客さんからしてみたら、
それなりのチケット代を払って見に行くのだから、
違うネタも聴かせてほしいと思うのは当然ですよね。
考えてみたら、
当日高座に上がるまで演目が決まってない芸能というのは、
落語くらいですよね。
歌舞伎やお芝居で、当日まで演目が決まってないなんて
絶対にありえませんからね。
落語だと、ネタ出ししてある会以外は、
噺家さんが高座に上がって、枕を喋っているうちに、
本ネタの方を替えてしまうなんて日常茶飯事ですからね。
そういう意味では、落語会というのは、
『ギャンブル』ですよね。
『また同じネタか…』って思うのが嫌な方は、
短期間に同じ噺家さんの独演会に
行かない方がいいかもしれませんね。
新ネタを下ろした場合などは、
そのネタばかり集中的にかけるって事がありますからね。
『同じネタでも、この師匠の落語が聴ければいいのよ』って方は、
全く関係ない話ですけどね
微笑亭さん太