先生には、媚もコピーも売ります
夏休みの宿題の定番と言えば読書感想文ですよね。
面白くもない課題図書を読まされて、
四苦八苦しながら原稿用紙の升目を埋めていった経験は、
誰しもある事なんじゃないかと思うんですがね。
その、宿題におけるボスキャラ的存在の読書感想文を、
いとも簡単に片付けるサイトというのが存在しているようですね。
太宰治の『走れメロス』や、
夏目漱石の『こころ』といった有名な作品の感想文の見本を、
3枚用、4枚用、5枚用といった
宿題の分量に合わせて掲載してるもんですから、
これをコピーするだけですよ。
読書感想文というのは本来、
自分の考え方を述べていくもんですから、
この丸写しの状況を太宰治が見たらきっと、
『人間失格!』と叫んでいるでしょうね。
このサイト、使用条件として『バレても自己責任』とか
『バレそうになったら、【オリジナルだ】と最後まで言い張る事』なんて謳ってて、
けしからんサイトのように思われますが、
自己責任という事で責任感が養えたり、
最後まで言い張る事によって初志貫徹の精神が学べたりと、
意外な教育効果があるのかも知れませんね。
昔から、それに似たような事はありましたよ。
よくやるのが、本の巻末の解説文を写してくる子とかね。
少しくらいアレンジすればいいのに、丸写しにするもんだから、
『著者と私とは、二十年来の飲み友達だが』なんて文章でバレちゃったりしてね。
小学生の浅はかさを露呈しちゃったりするんですね。
中には、『物凄~く長い【引用】です』って
力技的な言い訳してる子もいましたけどね。
ネット上の情報をコピーして張り付けるという、
通称『コピペ』と呼ばれる行為は、
以前から大学生の間では問題になってましたね。
論文なんかに他人の文章を盗用して、安易に使ってしまうという、
これは窃盗行為に等しいですからね。
読書感想文を書くコツとしては、自分の体験や、
そこから生まれた興味に関連する本を
題材に選ぶと書きやすいと言いますね。
ですから、
アントニオ猪木が好きな人だったら、谷崎潤一郎の『卍』とか、
自転車に足を引かれた経験のある人だったら、ヘッセの『車輪の下』とか、
色盲気味の人だったら、村上龍の『限りなく透明に近いブルー』なんて本を選べば、
感想文も書きやすいんじゃないですかね。
微笑亭さん太