自粛を自粛
タイトルや歌詞に『津波』が入っている曲が
歌えなくなったなんて事があります。
被災者の方々の気持ちを思えば、それも当然の気遣いでしょうね。
同じく震災以降、
桂ざこば師匠が、十八番の古典落語、
『天災』を演るのを自粛しているという話を聞きました。
やはり『天災だと思って諦めなさい』なんて台詞が出てきますので、
喋る側からしてみると抵抗があるんでしょうね。
ざこば師匠、さすがの気遣いです。
柳家喬太郎師匠の十八番に
『母恋くらげ』という新作がありますが、
これも師匠は自粛されてるらしいですね。
『えっ、なぜ?』と一瞬思ったんですが、
『海』に関係する噺だからという事らしいですね。
いや~、これは全く気付きませんでした。
こんな細やかな心遣いは、とても私には真似できません。
今回、天竜川で
痛ましい船の事故が起こってしまいました。
行方不明になっている方々が、
一刻も早く見つかるよう祈るしかありません。
この事故を受けて、これから暫く寄席では、
『船徳』という噺は自粛されるんでしょうかね?
技術に難のある新米船頭が、お客さんを災難に巻き込む噺ですから、
さすがに演り手の側も、二の足を踏んでしまうかもしれませんね。
本来なら、この時期に一番かけられる噺なんですけどね。
同様に『岸柳島』や『三十石』、『桑名船』なんて噺も、
船中がシチュエーションだけに、演りにくいかもしれませんね。
ただ、こういう『自粛』を考える時、
どこで線を引いたらいいのかというのは、
マジで考えてしまいますね。
子供の誘拐事件なんかが起こった時に、
『初天神』や『子ほめ、』『真田小僧』、『子別れ』なんて
子供が出てくる噺を演っていいのかとか、
大掛かりな詐欺事件が起こった時に、
『壺算』や『付き馬』、『居残り』、『突き落とし』なんて
他人を思いっきり騙すような噺を演っていいのかとか、
いわゆる『セシウム牛』が話題になっている時に、
『牛ほめ』や『お玉牛』なんて噺を演っていいのか、
悩んでしまう方もあるんじゃないかと思います。
気にしすぎだと言ってしまえばそれまでなんですが、
『当然の気遣い』と『気にしすぎ』の境目が、
私にはよく判らなかったりしますね。
こういう時に、『自粛判定員』みたいな方がいたらいいな~と
思ってしまうのは、私だけでしょうかね?
※告知です

9/2(金) 午後2時~3時半
『落語で学ぶ悪質商法』 豊川市勤労福祉会館(豊川市新道町1-3)
木戸銭無料(要申込 0533-89-2238 消費生活センター)
いつもやらせていただいている、
悪質商法の出前講座を、勤労福祉会館の視聴覚室にてやります。
先着60名限定なんですが、どなたでも聞けますので、
お時間のある方は、是非お越し下さい。
落語は2席演りますが、
そのうちの1本は最近作ったネタを演る予定ですので、
消費生活センターの方まで申し込んで下さい。
よろしくお願い致します。
8/22(月) 午後7時~
『月例寄席』 木戸銭¥100
豊橋市神明町・あんくるとむ(0532-53-5355)
出演 微笑亭さん太 竜宮亭無眠 鶴橋減滅渡 髪家三代
微笑亭さん太