開花、遅れる
上郷交流館にて喋ってきました。
60歳以上の方対象の落語会で、
180名くらいお見えになり、そのうち8割以上が女性でした。
『肥瓶』『熟女たちの宴』『竹の水仙』で、
1時間半ほどの独演会です。

最年少が60歳という事で、
相当なお年寄りの集まりを予想してたんですが、
皆さんお元気な方ばかりで、かなりよく笑って下さいました。
2席演って仲入り、
最後3席目の『竹の水仙』を演っていた時なんですが、
いよいよ水仙が咲こうかという
クライマックス直前で…携帯が鳴りました。
これはマズい、何とか『開花時期』を遅らせねば、と
会話を繋いで延ばしてました。
その間に携帯を切ってくれるだろうと思ってたんですが…鳴りっぱなし。
明らかに『そのへん』で鳴ってるんですが、
『そのへん』のおば様方は微動だにしません。
いや、荷物くらい探ってみたらどうでしょう?
そろそろ水仙が咲かないと、繋ぐにも限界があるんですよ。
…また、かけてる人もいい加減断念してコールを止めたらどうですか!
そんな事を考えながら噺を繋いでいる
その間の長い事、長い事(笑)
もうダメ、咲かせるしかないと諦めかけた時、
奇跡的にコールが止みました。
ぎりセーフ、何とか大きな支障もなく、
サゲまでたどり着く事ができました。
終演後、お客さんの送り出しをしていたんですが、
実に多くの方に笑顔で握手を求められました。
その中に、その『携帯おば様』もいらっしゃいました。
『…よかったよ~!』と私に握手を求めた瞬間、
また携帯が鳴りました。
…あ~、さっきも今くらい俊敏に出てくださるとよかったのにな~と
密かに思った私でした。
微笑亭さん太