アラ、見てたのね~
地デジ導入となる7月24日直前にはきっと、工事が集中しますよ。
『ウチのテレビを先にやってくれ』、『いや、ウチが先だ』なんてんで、
各家庭でケンカになるかもしれません。
これをテレビ業界では、『地デジを洗う争い』と呼んでるそうですけどね。
地上デジタル放送というのはアナログ放送に比べて、
高画質のハイビジョンが楽しめます。
アナログ放送は35万画素なんですが、
ハイビジョンは200万画素なんですね。
非常にクリアな映像が見られるんですが、
その分、アラが目立つというリスクもあるわけですよ。
特に、年配の女優さんなんかは戦々恐々としてますよ。
地デジ完全導入後はお茶の間で、
「…この人、一気に老けたね~」
「うわ~、ホント。シワの中に顔が埋もれてたんだね…ついに正体を現したな」
なんてんで、妖怪みたいな言われようをするのは目に見えてますからね。
ベテランの女優さんのアップから、
若手のピチピチお肌の女優さんのアップに移ると、
何だか『使用前・使用後』みたいな状態になっちゃいましてね。
『女優殺すにゃ刃物はいらぬ、地デジ画面があればいい』なんて都々逸が、
業界に流行るかもしれませんね。
時代劇も大変みたいですね。
現代劇に比べて隠す物が山ほどありますからね。
とりわけ、カツラの境界線がくっきり見えてしまいますから、
ヘアメークさんなんかは苦労すると思いますよ。
ごまかすのにも限界がありますから、
ふと『水戸黄門』を見たら、ご老公の生え際に全て
モザイクがかかってるなんて事にもなりかねませんよ。
アナログ放送というのは、
局から視聴者への『一方通行』の放送だったわけですが、
地デジの場合は『相互通信』ができるというのが売りですよね。
当然、作られる番組のクオリティも全く変わってきますよ。
全ての番組が、視聴者参加型番組みたくなっていくんですね。
刑事ドラマなんか見てたら、
「すみません、このあたりで怪しい人物を見かけませんでしたか」
なんてんで、画面の向こうからお茶の間に、
聞き込みに来たりなんかしてね。料理番組なんかでも、
「ちょっとタマネギ貸してくれる?」
なんて、足りない食材を借りにくるんですね。
あるいは『なんでも鑑定団』を見てると、
「う~ん…いい仕事してませんね~。
確かに骨董品ではありますが、全く価値がありません」
勝手に奥さんを鑑定されちゃったりするんですね。
もっと大変なのが、夏場にビールを飲みながら野球中継を見ていると、
「…選手の交代をお知らせ致します。小笠原に代わりまして、代打、お父さん」
全く野球経験のないお父さんが引っ張りだされちゃうなんて時代も、
すぐそこまでやってきてるのかもしれないですね。
微笑亭さん太