サクラばかりのお客さん
ライオンズクラブの方々に呼ばれて行ってきました。
私自身も初体験となる、
『夜桜の下での一席』です。

お話をいただいた時から、
花見の宴でのオープンステージ高座というのは判ってましたから、
絶対に聞いてもらえないだろうと覚悟していました。
ただ、雨が降ったら建物の中でやるという事でしたから、
ひたすら雨が降る事を願ってました(笑)
2、3日前から、てるてる坊主を逆さに吊した甲斐もなく、
見事に晴れ上がってしまいました。
現地に着いて困ったのは、
着替えのスペースがなかった事です。
ちょっとした建物の陰で着替えようとしたんですが、
ふと気づくと、それは『女子トイレ』でした。
女子トイレの横で、
男が目立たないように服を脱いで裸になっている状態というのは、
どう考えても通報レベルなので、車の中で着替えました。

ブルーシートに座り、
飲食をするお客さんを前にしての高座でしたが、
これが予想に反して、凄く聞いてくれて
笑ってくれたのにはびっくりしました。
嬉しい誤算とは、この事でしょうね。

当初、30分漫談だけで下りる予定でしたが、
皆さんが聞いて下さってるので、
本ネタをちゃんと一席演らないと申し訳ないと思い、
急遽『楽しい動物園』に入りました。
そして入った途端、使っていた電池式のワイヤレスマイクが
電池切れを起こしてしまいました。
ですから『お父さん』と『サトシ君』は、
動物園の入り口で、『電池交換待ち』してました(汗)
それはそれで、お客さんは面白がってたので、
結果オーライではあったんですが。
もうひとつ驚いたのは、
お客さんの中に、私のお店のお客さんがいらっしゃった事です。
その方は、私が落語をやってる事を以前から知ってたんですね。
いい感じで高座を下りたら、
その方が前に出てきて、マイクを奪って私の横で、
「皆さん、私はね、彼の店にもよく行ってるし、
彼の事はね、前からよ~く知ってるんですよ。
彼は……え~っと、何亭だっけ?」
「微笑亭です」
「ああ、そうそう。微笑亭、微笑亭。微笑亭……下の名前は何だっけ?」
「さん太です」
「ああ、そうそうそう、さん太、さん太。
このさん太さんの店……店の名前、何だっけ?」
全然知らないじゃん!(笑)
でも、皆さんにはCDを20枚も買っていただき、
名刺も沢山受け取っていただきました。
そんな中、80歳くらいでしょうか、
かなり年配の女性が私の方をニコニコしながら、
凄く見てらっしゃいました。
そして意を決したように私の方に歩み寄ってきたので、
「ありがとうございます、CDですか?」
「いえ、このペットボトルのフタを開けてもらえますか」
ライオンズクラブの皆さんには
本当にお世話になりました。
また是非呼んで下さい。
微笑亭さん太