休刊に至る紙面楚歌
様々なところで実感したりしますが、ここ最近、1、2年の間に、
学研の『科学』と『学習』、小学館の『小学五年生』、『小学六年生』が
相次いで休刊に追い込まれましてね。
『科学』は1957年、『学習』は1946年創刊、
『五年生』と『六年生』にいたっては1922年、
大正11年創刊ですから、超老舗雑誌の休刊という事実が、
一つの時代の終焉を感じさせるような気がしますね。
ある程度の年代の方なら、小学生の頃、
本屋さんの店頭で付録を挟み込んだ小学館の学習雑誌の分厚さに、
ワクワクしてた方も多いんじゃないかと思います。
付録が目当てみたいな子も結構いましたからね。
家へ帰って、雑誌を開ける時のドキドキ感…これが大人になってからの、
『週刊ポスト』の袋とじを開ける時の
ドキドキ感につながっているわけですね。
これらの雑誌のピークというのは、
日本が高度成長期を迎えた七〇年代頃で、
最高で『五年生』が63万部、『六年生』が46万部、
『科学』と『学習』は670万部を売り上げていたのに、
今ではその1/10しかなかったそうです。
売り上げが落ち込んだ主な原因としては、
子供たちの早熟化で男女の性差が早く表れて、
男女共通の雑誌というのが
作りにくくなったという事があるようですね。
小学生向けの雑誌なのに、特集が
『小悪魔メイク』とかだったりしますしね。
その上、特に男の子が手を使った工作をしなくなり、
組み立て付録を複雑にすると評判がよくないんだそうですね。
かつては売りだったはずの付録が首を絞めているという、
ちょっと皮肉な状況でもあるわけです。
子供の質の変化という事を考えると、仕方ない事なのかもしれません。
もう、この手の子供向け雑誌が、
飛躍的に売り上げを伸ばすというのはありえないでしょうから、
高齢者向けにシフトを変えた方がいいですよね。
75歳からのお年寄りをターゲットとした
『後期高齢者一年生』なんて雑誌を作るわけですね。
後期高齢者二年生、三年生、四年生、五年生、六年生までいったら、
次は『七回忌』になるわけですね。
付録も充実してますよ。
『手作り仏壇セット』とか『白装束一式』、
『等身大棺桶』なんてのも付いてたりするんですね。
誌面で扱われているアイドルも凄いですよ。
『Hey!Say!JUMP』に対抗して、
上がっちゃったお婆ちゃん10人のユニットで『閉経JUMP』とか、
ボケちゃったお爺ちゃん14人のダンスパフォーマンスグループ、
『ジジザイル』なんてのが特集されてましてね。
『ジジザイル』なんかは、みんなボケちゃってるから、
メンバーが増えてても、当人たちが全く気付かないんですね。
意識不明の重体になって集中治療室に担ぎ込まれる歌、
『シューチュー・トレイン』ってのが大ヒットしてたりするんですね。
こういう雑誌が発売されれば、
まだまだビジネスになるんじゃないかと思いますけどね~。
微笑亭さん太