酔って普段の如し
連日、脱脂綿の如くお酒を体にまんべんなく
吸収されてる方も多いんじゃないかと思います。
私は全くの下戸でして、お酒は一滴も飲めません。
でも、お付き合い程度には飲める体に生まれたかったな~とは、
ずっと思っていますね。
昔から、日本人は酒好きと言われておりましてね。
かのフランシスコ・ザビエルも手紙の中で
『日本人は食を節するが、酒はよく飲む』と記してるそうです。
彼は、酔っ払った友達に悪ふざけで、
バリカンで頭を刈られちゃって、
あんな頭になっちゃったそうですね…。
お稽古事で、
茶道や華道をやってらっしゃる方は多いと思いますが、
実はかつて、茶道や華道と同じように
『酒道』という修道があったそうですね。
室町時代の末に始まり、
明治の中頃に消えてしまった幻の修道なんですけどね。
公家流、武家流、商家流の三流儀があって、
お酒の注ぎ方、飲み方、返杯の仕方など、
酒席での礼儀作法を学んだわけですね。
商家流なんていうと商家の酒席ですから、
きっと場所は高級料亭で、前にはお代官様。
底に小判の詰まった菓子折りを用意しまして、
芸者には由美かおる、天井裏には風車の弥七を置くのが、
スタンダードなスタイルとされてましてね…日本の『わびさび』を感じますよね。
この酒道というのは精神的に茶道と通じる部分が多いので、
茶道に合流して無くなったようですが、
逆に、酒道の方に合流してたら面白いですよね。
未成年にも関わらず、中学や高校には
『酒道部』なんてサークルが出来ましてね。
顧問の先生はいつもベロベロ、日本酒片手に、
『最近、ウチの酒道部は、やたら部員が増えたな~』増えたんじゃなくて、
部員の顔が何十人にも見えてるだけでしてね。
で、酒道の厳しい精神修行が進んでいくと、お酒を飲んだだけで、
手の震えがピタッと止まるようになるという…ここまでくれば大したもんですよ。
女子部員なんかは将来、お見合いの席で、
『…お花と、酒を少々…』なんて、
堂々とアピール出来ますからね。
好感度アップにつながるんじゃないでしょうかね~。
微笑亭さん太