憧れと現実
アニメに欠かせないのが【声優】という職業の方々です。
常に子供たちが『将来なりたい職業』の上位にも挙げられる憧れの職業ではありますが、
その声優たちが所属している声優事務所の実態は、なかなか大変なようですね。
ひとり売れっ子がいればビジネスとして成立するイメージがある芸能事務所と違い、
大ヒットアニメの主要キャストに名を連ねる声優が所属していても、
声優事務所は経営が立ちゆかなくなってしまう事があるようですね。
『鬼滅の刃』の【禰豆子】役の鬼頭明里さんや
『トロピカル~ジュ!プリキュア』の【キュアサマー】役のファイルーずあいさんなど
人気声優が多数所属している声優事務所【プロ・フィット】が先日、
プロダクション業務を閉鎖すると発表したんですね。
この原因としては、
若手の人気声優がいたとしても本業の稼ぎは思うほどではないので、
必然的に事務所の上がりも少ないからなんですね。
そもそも、声優事務所の取り分というのが少ないんですね。
一般的な芸能事務所なら半分、お笑い系の大手ならもっと持っていくんですが、
声優事務所の多くは二、三割しか取らないんだそうですね。
声優のギャラというのも安くて、
声優はどんなに人気があっても、大ヒットアニメの主役であっても、
三年目までは一本、一万五千円と決められているんだそうですね。
これなら【声優】やるよりも【西友】で働いた方がいいくらいですよね。
そこから取り分を得ている声優事務所の経営が苦しくなるというのも、
当然といえば当然ですよね。
本業のアニメの収入が少なければ、副業で稼ぐしかないですよね。
たとえば声優さんの声で起こしてくれる【目覚まし時計】の声を
担当するなんてのがいいんじゃないでしょうかね。
「お前のお爺ちゃんの目覚まし時計の声を【北斗の拳】の声優さんにお願いしたんだって?」
「そうそう。『お前はすでに死んでいる』って」
「それ、目を覚まさなくなっちゃうじゃん」
「他にもね、違法にコピーしたDVDの販売業者用の目覚ましは、
【ワンピース】の声優さんにお願いしたよ。
『俺は海賊王になる!』って」
「その海賊王になっちゃマズいよね」
「あと、ブラック企業の社員用の目覚ましは、【フランダースの犬】の声優さんだね。
『パトラッシュ、僕もう疲れたよ』」
「悲しい・・・もう朝一から号泣だね」
「泥棒用の目覚ましは【エヴァンゲリオン】の声優さんで
『逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ』・・・
それが途中で【ちびまる子ちゃん】の声優さんに変わって『後半(公判)へ続く』になるんだ」
捕まった後の事まで考えられてるなんて、至れり尽くせりですよね。
微笑亭さん太