前門の虎、肛門の狼
普通に夏日、真夏日が出たりして、ドンドン暑くなってきてますよね。
夏は言うまでもなく猛暑になる事が多く、
『熱中症により、○人が救急搬送されました』というニュースが
連日のように報じられたりしますよね。
しかし救急搬送された人の中には、
思わず『どうしてこうなったの?』と尋ねたくなるような人がいるのも事実ですね。
一風変わった症例に出くわした時、
医師がどうやって治療法を決めるべきか、参考書があるそうですね。
それは【マイナーエマージェンシー】という本でして、
【珍しい急患】にどう対処するかを、百八十四項目に渡って解説しているんですね。
その中には【異物-直腸】という項目がありましてね。
そこには『肛門に入ったレモンや瓶、バイブレーターが取れなくなった場合の取り出し方』が、
図解入りで掲載されているそうでして、それだけでも購入したくなる本ですよね。
実際、お尻に異物が入って取れなくなり、
困って病院に駆け込んでくる患者は一定数いるようですね。
その【異物】の内訳ですが、
バットやビール瓶、電動歯ブラシ、キュウリ、トウモロコシといった報告もあるそうですから、
世の中には、いかに【チャレンジャー】が多いかという事ですよね。
こういった方々は救急搬送される事が多いわけですが、
恥ずかしがりながら自分の足で来院する人も結構いるそうですね。
肛門の異物挿入は男性が圧倒的に多いそうですが、実際にあった事例としては、
平日の昼間、スーツ姿のビジネスマンが腹痛で来院したんですが、
問診や触診をしても原因が判らない。詳しく検査すると、
何とお尻の穴に【電球】が入っていたんですね。
家で入れてきたのか、外回り中に入れたのか、いつから入っていたのか、
聞きたい事満載ですが、医師は深くは聞かず治療に専念したそうですね。
というのも、驚くような物が挿入されている場合でも、
【事情を深く追求してはいけない】というのが医師が診る上での鉄則なんだそうですね。
それは単に【武士の情け】というだけではなく、
こういう患者にとっては詳しい事情を聞かれるというのは、心にグッサリ突き刺さるわけですね。
それによって患者が緊張して筋肉が萎縮してしまうと、
異物が摘出しにくくなっちゃうからだそうでして、ちゃんと医学的な理由があるわけですね。
仮に異物挿入の理由を聞いたとしても、
大抵の患者は『風呂場で尻餅をついたところに、たまたまレモンが落ちていた』だとか
『暑かったので全裸で電球を取り換えていたら、台から足を踏み外して
転んで偶然にも電球が尻に刺さった』といった説明をしてくるそうなので、
全く参考にならないんだそうですね。
肛門に野球ボールが入っていたという患者は
『痛烈なピッチャー返しを受けた』と事情を説明していたそうですが、
どうやらその方は、全裸で野球をやっていたようですね。
「この間の患者さんは、肛門に【殺虫剤のスプレー缶】が入ってましたよ」
「殺虫剤ですか?ちゃんと取り出す事が出来たんですか?」
「ええ、取り出す時、【キンチョー】しましたけどね」
そんな会話が交わされていたりするんでしょうね。
微笑亭さん太