操り人間
ガッカリしてお客さん帰っていった後、狙いすましたようにその台に座って、
僅かな投資金額で当たりを引く、頻繁にこれを繰り返す人の事を【ハイエナ】と言ったりします。
当然、他のお客さんからは良く思われないわけですが、
【ハイエナ】という言葉には【卑怯】とか【ズルい】といったイメージが常につきまといますが、
実物のハイエナはアフリカで最も成功している捕食者なんですね。
ハイエナは『ライオンの獲物を横取りする』と思われがちですが、
実は全く逆でして、ハイエナは狩りがうまくライオンは下手なので、
ハイエナの獲物を横取りしているのはライオンの方なんですね。
【百獣の王】ではなく【横取りの王】でして、動物の世界にSNSがあったら、
ライオンは確実に叩かれて大炎上してるでしょうね。
そのハイエナに関して
『トキソプラズマという寄生虫に感染したブチハイエナは、そうでない個体と比べると、
約四倍もライオンに殺されやすい』という興味深い研究結果が明らかになりましてね。
特にトキソプラズマに感染した一歳未満の子ハイエナは、ライオンに近づきやすくなり、
死因が判る子供は全てライオンに殺されていたそうですね。
ブチハイエナの子はライオンに狙われやすいため、普通はライオンに近づかず、
ほとんどの時間を親の巣穴の近くで過ごしているそうですから、
明らかに寄生虫が原因というわけですね。
【トキソプラズマ】は単細胞の寄生性原虫で、
ネコ科動物を終宿主とするんですが、人を含む哺乳類や鳥類を中間宿主とし、
世界人口の少なくとも三分の一が感染していると言われてるんですね。
この寄生虫はネズミなどの宿主を操り、猫の近くで大胆な行動を取らせて襲わせ、
猫に寄生する事が知られていて、かなりの策士なんですね。
しかし、野生の大型哺乳類に同じような効果を及ぼす事が確認されたのは、
今回が初めてだそうですね。
分析の結果、調査対象となったハイエナのうち、
一歳未満の子供の35%、一歳から二歳までの71%、
二歳を過ぎた大人の80%がトキソプラズマに感染していたんですが、
トキソプラズマに感染していない子ハイエナがライオンに近づく距離が
平均91メートルだったのに対して、感染した子ハイエナは
平均44メートルという危険な距離まで近づいていたという事ですから、
やはり寄生虫に操られていたんでしょうね。
このトキソプラズマが人に与える影響が気になるところですが、
ほとんどの人は軽く発熱するだけで速やかに回復するんですが、
一方で感染者は、危険な運転をしたり、新しいビジネスを始めたりするなど、
リスクの高い行動をするようになるというデータもあるそうですから油断はならないですよね。
また【インフルエンザウイルス】に感染した人は、
発症直前くらいにメチャメチャアクティブになって、
やたら人混みに行きたくなる そうですから、ウイルスが人の脳を操って
感染を広げようとしているのかもしれませんね。
そして【性病菌】に感染した人は、性的魅力が増して感染拡大を促すそうなので、
世のお父さん方は是非気をつけていただきたいですね。
微笑亭さん太