弱い犬ほどよく吠える
『郷に入っては郷に従え』という言葉もあるように、
【日本の常識】に慣れていかないといけないのが大変ですよね。
特に日本人は時間の観念に厳しいところがありますので、
比較的緩い時間の観念の国から来た方々は苦労されるようですね。
日本で働いてらっしゃるイタリア人の方が仰ってましたが、
「約束の時間に一、二分遅れただけで
『さすがイタリア人』とか『時間守らない』と、日本人によく言われちゃうんだ。
確かに日本人は【時間を守る国民】第一位だと思ってるけど、
日本人はスタート時間しか守らないよね。
五時半に終わる会議が七時半まで延長しても何とも思わない。
一、二分待ち合わせに遅れるより、こっちの方がひどい話だと思うんだけど」
これは日本人は耳が痛いですよね。
退屈な会議が長引いても、ひたすら耐える忍耐力を持ってきた日本人ですが、
その日本人の忍耐力は、どんどんなくなってきているようですね。
クーラーや暖房がある今、
暑さや寒さに耐える事は、昔に比べなかなか難しくなっていますよね。
誰だって、クーラーや暖房がない時代には戻れませんからね。
メールやラインに慣れてしまうと、手紙でやり取りしていた時代にも戻れません。
これからの日本人は、【忍耐力がない事】を前提に生きていかないといけないかもしれませんね。
今は昔に比べ、直接悪口を言われる場面は、少なくなってきていますよね。
教師が生徒に暴言を吐く事も、親が子どもを怒鳴りつける事も、
友達同士が激しい口論や殴り合いをする事も、徐々に減ってきていますが、
それにより、【悪口に対する免疫】も落ちてきてるんですね。
しかし常に自分に対して悪口を言われる可能性はありますから、
それが向けられた時は『犬に吠えられている』と考えるのがいいそうですね。
『なぜ、この犬は私に吠えるんだろう?』とか
『私の行いの何がいけなかったんだろう?』とか『どうしたら吠えなくなるだろう?』などと、
くよくよといつまでも考え込むような人は恐らくいないと思います。
翌日も、翌々日も『なぜ、あの犬は私に吠えたんだろう?』と
ショックになる人もいないと思いますが、悪口というのは、その程度の物なんですね。
相手は、一瞬の快楽や開放感のために、悪口を言ったにすぎませんから、
そんなものに、いつまでも自分の時間や精神をすり減らされる必要はないわけですね。
「新しい丼物のメニューを考えたんだって?」
「そうなんだよ。牛肉を使った丼は【牛丼】、
豚肉を使った丼は【カツ丼】、鶏肉を使った丼は【親子丼】だろ?
俺はね、犬の肉を使った丼を開発したんだよ」
「犬の肉だって?何ていう名前なの?」
「西郷丼」
他人の悪口を『犬に吠えられた』と考えるという事を、
自分の身を守る武器として持っておく事が必要なのかもしれませんね。
微笑亭さん太