持て余す好意
暖かくなったら、旅行を計画されてる方もいらっしゃると思います。
旅行といえばお土産ですが、
お土産にもらっても困る物のひとつに【シャケをくわえた木彫りのクマ】というのがありますよね。
いただいた方には失礼ですが、実際その後の扱いに頭を悩ませる方も多いと思います。
ところが今、【クマをくわえた木彫りのシャケ】というのがあるそうですね。
見慣れた構図を逆にしてみたわけですが、
こちらは結構人気があるようでして、まさに発想の転換というやつですよね。
大阪の梅田の地下通路では以前
全国各地の名産販売店が集まる【阪神百貨店ふるさと名産】というのが営業していて、
実際には行っていない旅先のお土産を買う事ができたんですね。
行き先を偽って不倫旅行された方なんかは、
お世話になった事もあるんじゃないかと思いますが、
実際【アリバイ横丁】なんて、粋な名前が付けられていたようですね。
最近はネットなんかで、日本各地のお土産を取り寄せられますから、便利になりましたよね。
国の文化が違えば、土産物に関する感覚も違うわけでして、
良かれと思ってあげた物が、外国の方には意外に不評だったなんて事もあるでしょうね。
外国人が貰っても嬉しくない日本のお土産の代表的な物に【和菓子】がありましてね。
見た目はとても綺麗で日本らしさが伝わりますから、満を持して持っていくんですが、
口に合わない人がかなり多いようですね。
ゼラチン質の皮に、中のあんがシースルーで見えるお菓子なんかは、
カエルの卵的に見えちゃうのかもしれませんね。
そもそも【あんこ】に対しても
『豆を甘くするなんて気持ち悪い』と思うらしいですね・・・チョコレートを食べながら。
あれも、カカオ豆から作られてるんですけどね。
あと【お守り】なんてのも嬉しくないそうですね。
使い道が判らないので困るという話ですが、
外国では日本よりも宗教への思い入れが強い人が多いので、
信仰心が強い人には迷惑かも知れませんね。
確かにお正月を祝って、バレンタインにチョコを贈って、
花祭り、お盆、クリスマスがあって、四、九、十三を嫌う、
何ら宗教的統一感のない民族からお守りをもらっても困るのは確かでしょうね。
それから【お弁当箱】もそうです。
日本ではとても充実している弁当文化ですが、弁当文化の無い国では、
どんなに高性能なお弁当箱も、ただの入れ物になってしまうんですね。
そもそも、海外のお昼はサンドイッチやスナックで済ませる人が多いので、
日本のように、色とりどりの食材を箱に綺麗に盛り付けるという人は滅多にいませんからね。
「このお弁当箱は、中にハンバーガーを入れるための物ですから、
外国人の方にも喜ばれると思いますよ」
「へえ~、それは何ていうお弁当箱ですか?」
「【マックの内弁当】というんですけどね」
外国人の方は、妙な物を嬉しがったりしますからね。
日本の忍者が大好きなアメリカ人に【ニンジャブーツ】だと言って
【地下足袋】をお土産にあげたら、奇声を上げて卒倒せんばかりに興奮していたなんて話は、
微笑ましい感じがしますよね。
微笑亭さん太