水商売で儲けてます
これだけ様々な技術が進んだ世の中でありながら、天候だけはコントロールできなくて、
たった一度の雨すら降らせる事が出来ないというのは、人間の無力さを感じさせられますよね。
アフリカのとある村には、【雨乞いの秘術】というのがあるそうでしてね。
村人たちが秘術を用いて踊れば、必ず雨が降るんだそうですね。
早速、水不足に悩む国が彼らを呼び寄せて尋ねましてね。
「どうして、あなた方が踊ると雨が降るのですか?」
「そりゃ、雨が降るまで踊り続けるからだよ」
水不足になると、節水のためにお風呂の回数を減らしたりなんて事もあるわけですが、
お風呂に入るのは人間だけではなく【楽器】も入るそうですね。
トランペットやトロンボーンといった【金管楽器】は、
時々お風呂に入れてあげなければならないそうですね。
こういった金管楽器は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯に三十分ぐらい浸けた後、
専用のブラシで洗浄するんですね。
しっかりすすいで、丁寧に乾かした後、
グリスアップをして組み立て、最後に専用ワックスで磨いてあげるんだそうです。
これは管の中にツバとかホコリ、グリスなどがたまってしまうからでして、
使用後、専用のクリーニングクロスを管に突っ込んでツバを拭くだけじゃダメなんだそうですね。
女性も楽器も、定期的なエステが必要という事になるんでしょうね。
今、そういった楽器に塗るだけで音が良くなる水があるそうでしてね。
これは【音響水】という水でして、楽器に塗るだけで演奏性が向上するんだそうですね。
この音響水は万能のようでして、管楽器のマウスピースやリードはもちろんの事、
ピアノのフレームや響板、弦楽器のピックや弦に塗っても効果があるそうでして。
さらにマイクグリルやケーブル端子、レコードのアナログ盤などにスプレーしたり、
布に付けて塗布するだけで効果があると言いますから凄いですよね。
ひと塗りするだけで、明らかに音色が変わり、
軽いタッチでも楽器が鳴るようになるという事ですから、
楽器にとっては【ガマの油】みたいなものですよね。
「それは凄いね~。俺もギターやるから買ってみよう」
なんてな事を言いながら、一向に買う素振りがない方がいましてね。
よくよく聞いてみたら、その方がやるのは【エアギター】なので、購入もエアだったらしいですけどね。
楽器にこれだけ効果があるんだったら、
人間の耳に塗っても効果があるんじゃないかという事で、実際に塗った方がいましてね。
「凄く音色が良く聞こえるようになりました」
「ほう、やはり音響水の効果ですね?」
「いや、昨日耳掃除しましたので」
中には『音響水よりも、もっと効果のある液体がある』なんてんで、
自分のトランペットに一生懸命塗ってる人もいましてね。
何を塗ってるのかな~と思ってよく見てみたら、【キンカン】だったという・・・
効果の方はいささか疑問ですけどね。
微笑亭さん太