骨まで愛して
【ジュラシック・パーク】という恐竜を扱った作品があります。
全世界で大ヒットを飛ばし、その後シリーズ化されましたよね。
やはり【恐竜】というのは、根強い人気があるわけですね。
「何で恐竜映画ばかりがヒットするんだよ。
俺の作った映画はガラガラなのに・・・面白くないな~」
嫉妬した他の映画監督たちが【ジェラシック・パーク】なんて映画を作りそうですよね。
しかし恐竜に詳しい方に言わせると、
映像の中で描かれる恐竜に対して、常に不満があるようでしてね。
「ああいう恐竜の映画や再現映像で許せないのは、恐竜が常に吠えてる事だね」
「どうして?いかにも怖そうでいいだろ?」
「何言ってんだよ。ライオンがシマウマを襲う時に、いちいち吠えてから襲いかかるか?
そんな事してたら、みんな逃げられちまうだろ?」
確かにその通りなんですが、いつも無言で獲物を襲ってたら、人気が下りそうですよね。
恐竜というのは誰も本物を見ていませんから、
今知られている情報というのは、予想の域を越えない事は確かですよね。
色も形も、全ては後世の人間たちの勝手な想像です。
ですから化石などに対しても、結構いい加減な部分というのがあったりするわけですね。
考古学者の方が学会に対して、
「あの~、この骨、ここらあたりに角として付けたらカッコいいんじゃないですかね?」
「あ、いいね。それ、採用!」
そんな風に決まってる可能性はあるんじゃないかと思いますね。
一八七〇年代末、アメリカに
オーソニエル・マーシュとエドワード・コープという二人の古生物学者がいて、
仲の良い友人同士だったんですね。
ところが発掘した首長竜の完全骨格をに自慢したら
『お前、尻尾の先に、頭くっつけてるぞ。プッ・・・』と半笑いされたんですね。
確かに首が長いですから、そういう風に見えない事もないわけですが。
それをきっかけに仲が悪くなって、
お互い、相手に負けまいとして血みどろの発掘競争が始まったんですね。
その結果、それまで北アメリカで九種類しか恐竜の化石が発掘されていなかったのが、
二人合わせて百三十六種類も見つけちゃったんですね。
時には人間の【負のパワー】が、学問を飛躍的に進歩させるなんて事もあるようですね。
もっとも、そんな昔の生物の事が判らないのも無理はないとは思いますよ。
数年前に殺された白骨死体が発見されたというニュースを見ても、
「発見された白骨死体は二十代から六十代で、身長は百五十センチから百八十センチ、
男性もしくは女性、体格は痩せ形、もしくは中肉中背、太っている可能性もあるとの事です」
てな事を言ってるわけですから、恐竜の事が判るわけがないですよね。
あと恐竜の名前というのは、結構カッコいいものがあるんですね。
【エオティラヌス】なんて恐竜がいるんですが、これを日本語に訳すと【夜明けの暴君】なんですね。
カッコいいですよね。
そこいくと、人間に付けられる仇名の場合は【夜のホームラン王】だったりしますから、
今いち間抜けな感じが否めないですよね。
微笑亭さん太