今は九時か、十字架?
「先生、ピアノを演奏する人は【ピアニスト】で、
バイオリンを演奏する人は【バイオリニスト】ですよね?」
「そうですよ」
「じゃあ【テロリスト】は、どんな楽器を演奏する人ですか?」
てな質問をした子がいたらしいですが、今は小さな子供たちでも、
テロリストなんという言葉を耳にするような物騒な世の中になりましたよね。
テロリストを根絶やしにするのは、なかなか難しい事ではありますが、
テロ活動を鈍らせる事は出来るのではないかと思いますね。
数年前、米フロリダ州の銃器メーカーが、
キリスト教のシンボルである十字架を彫り込んだライフルを発売したなんて事がありました。
【クルザード】という商品名のライフルには、
十字軍で活躍した【テンプル騎士団】の十字架と、
聖書の詩編の一節が彫り込まれているようでして、
このライフルを製造した銃器メーカーによると、
『武器をイスラム教徒に渡さない』という意図が込められていたそうですね。
メーカーの広報担当者は『過激な目的を達成するために、
罪のない人々を殺すイスラム教徒のテロリストには使えない銃を製造したかった』とコメントしていて、
十字軍のシンボルが入っていれば、この銃が中東に送られるのを防げるだろうという計算だったんですね。
このライフルは発売から三日間で完売し、その後も数週間の予約待ちだったという事ですので、
売れ筋商品だったんですね。・・・銃の売れ筋商品というのも考えものではありますが。
やはり十字架は、テロリストと吸血鬼には抜群の効き目があるのかもしれませんが、
この場合、『十字架のところにシールを貼る』という、
ごく簡単な解決法があるのが若干気になりますよね。
こうなったら【豚肉で作られたライフル】ってのを販売すれば、
イスラム教のテロリストは近寄らないんじゃないでしょうかね。
「そりゃそうだよな。日本人だって葵の御紋の付いた便器では、しにくいだろ?」
「いやいや、肛門(黄門)が喜ぶよ」
向こうではやはり、テロリストを養成する学校というのもあるんでしょうね。
そんなテロリスト学校が【修学旅行】に行くと、『重火器類は三百円まで』と決められていたり、
寝床では枕の代わりに手榴弾を投げ合うわけですね。
そしてお馴染みの【恋バナ】では、
「ねえあんたたち、好きな反政府組織とかいるの?」
なんてな事を聞かれたりするんでしょうね。
この十字架ライフルのように、悪事の牽制になるような工夫は面白いですよね。
日本でも『ウチの会社では、家庭不和ゼロを目指すからな』なんてんで、
『奥さんの顔がプリントされたTシャツ』の着用を義務付けたりしましてね。
これは浮気なんかできませんよ。
ちょっと残念な奥さんだったりすると、すれ違った人がTシャツを見て半笑いしたりしてね。
「最近ウチの人、同僚の人と飲みに行かずに、真っ直ぐ帰ってくるようになったわ」
奥さんが喜んでいる理由は、会社でもって、
血糖値や血圧などが詳細に書かれたTシャツの着用が義務付けられたからでしてね・・・
そんなリアルな数字を見せられたら、誰も飲みに誘わなくなるでしょうね。
微笑亭さん太