進化を問われるもの
最近の若者たちというのはパソコンを持たない傾向がありますよね。
「もしも、お前が福沢諭吉だったらどうする?」
「もちろん、スマホで自撮りして偽札を作るよ」
それでも、仕事などにはどうしても性能の良いパソコンが必要になったりします。
「・・・おい、このパソコン最新型じゃないか。高かっただろ?」
「いや、タダだったよ」
「タダ!?何で?」
「彼女の家に遊びに行ったんだ。
そうしたら彼女、服を脱ぎながら『あなたが大好きなもの、あ・げ・る』って言うから、
遠慮なくもらって来たんだ」
ロボット技術の進歩というのも目覚ましいものがありますが、
機械ならではの欠点というのもあります。
大抵のロボットは金属とモーターで出来ているので、
簡単にオーバーヒートし、機能停止を起こしやすかったりします。
その欠点を克服すべく、コーネル大学の研究チームは、
人間と同じように『発汗して自己冷却する』という、
柔らかいロボットハンドを開発したそうですね。
このロボット・ハンドは
内部が空洞になっている3Dプリントの指三本で構成されているんですが、
それぞれの指は水で満たされ、細かな穴が開いた表面層に覆われているんですね。
温度が低い時には穴は閉じているんですが、
三十度を超えると表面層が膨張し、穴が開いて水分を発汗し、
ロボットを冷却するというシステムになってるんですね。
科学誌に発表された論文で研究者らが述べたところによると、
このロボット・ハンドの指は、人間の三倍の効率で発汗するという事ですから、
ロボットといえども、手汗の心配をしなきゃいけないでしょうね。
この新機能により、空調ユニットやファンでロボットを冷却できない環境でも、
より長い間、ロボットを動作させられるようになるかもしれないという期待が高まるわけですね。
ただ、残念な点もあって、
現在のところ、水を補充する手段が存在していないという事と、
表面が濡れる事で、物体を掴む能力が低下する可能性があるんですね。
「自分自身を冷やす事のできるロボットハンドでコーヒーカップを掴んだら、
水分のせいで手が滑ったんだよ」
「じゃあ、カップを落としちゃったんですか?」
「いや、間一髪で落とさずに済んだんだけど、見てるこちらが、肝を冷やしたよ」
このロボットは現時点では、まだ極めて基礎的なものだそうですから、
このまま進化を続けていけば、そのうちオシッコとかもするようになるんじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太