性差万別
平均寿命というのは世界全体で73.3歳、そのうち男性が70.8歳、女性が75.9歳となっていて、
日本では男性が79.64歳、女性が86.39歳と、
世界においても日本においても、女性の方が長生きなのは一目瞭然です。
これはやはり、女性の方が長生きする【確固とした理由】が存在するとしか思えませんよね。
男性は生物学的にも、社会学的にも、胎内にいる時から死ぬ時まで不利なんだそうでして、
女性が男性より長生きする幾つかの理由があるようですね。
そもそも女性は子宮の中にいるうちから強いようでして、
男の子が子宮の中に宿る数は、女の子の二・五倍もあるんですが、
男の子は感染症などに負けてしまう事が多く、生まれる頃には、
その比率がおよそ一対一になるそうですね。
体内で感染しないように抑えている分、
生まれてからは『この流行りのバッグ、欲しい~』なんてんで、
すぐに流行に毒されちゃうわけですね。
それから男性は、同じ年齢の女性が冒さない危険を冒してしまうという性があるんですね。
アメリカ疾病予防管理センターによると【不慮の事故】は男性の死因の三位ですが、女性は六位なんですね。
この原因は生物学的にも説明できるそうでして、責任に対処したり、
リスクの計算をする前頭葉が、男性は女性よりもゆっくり発達するからなんですね。
実際に若くして奥さんをもらうという、これ以上ないリスクを冒してる男性が沢山いますよね。
さらに女性の方が男性よりも、健康に気を使うという事がありましてね。
過去一年間に医師を訪れた男性は、女性より二十四%も少なかったそうでして、
男性は、どこか悪いところを見つけられるのが嫌なので、病院に行きたがらなかったりするんですね。
「あなた、早く行きなさいよ」
「え~、病院に行くの嫌だよ~。怖いし・・・」
「そんな風に駄々をこねないで早く行きなさいよ、あなたは医者なんだから」
これは単なる【出勤拒否】ですけどね。
あと女性には、より強い【社会的ネットワーク】があるんですね。
多くの男性は、自分の中にストレスをため込む傾向がありますが、
女性は他の人に悩みを打ち明けてストレス解消を図っているわけですね。
【他人との会話】に関しては、男女では随分と意識差がありましてね。
太古の昔から男性は狩りに行き、女性は集落で共同作業を行なっていたわけですね。
ですから男性の会話というのは【解決】が最優先となります。
仲間が怪我をすれば『すぐに縛って血を止めろ』とか、
マンモスが出たら『弱点である後ろから攻撃しろ』といった、
具体的な解決策を提示する事が多いわけですね。
一方女性の会話は【共感】が最優先です。
『木の実取りに行ったら、凄く寒くてさ~』『それは大変だったわね~』なんてな具合に、
何の解決にもなってなくていいから、気持ちを共有してほしいと思ってるわけですね。
これは【集落での孤立は死につながる】という先人たちの意識が関係してるからなんですね。
もしも男性の会話が、解決よりも共感を重視していたら大変ですよ。
『怪我をしてしまった!』『うわ~、たいへ~ん』とか
『マンモスが出たぞ!』『え~、すご~い』なんてな事言ってたら、
すぐに絶滅しちゃいそうですからね。
これは現代の男女の、メールやラインのやり取りなんかにも表れてますね。
彼女から『おはよう!』『おはよう。どうしたの?』
『ううん、特にどうもしてないけど、話したくて』『もしかして、次のデートの変更とか?』
『違うよ。ただ話したかっただけなの』なんてんで、
こんな些細なやり取りからケンカになっちゃったりするのは、やはり男女の意識差なんでしょうね。
微笑亭さん太