機器一髪!
拳銃で胸を撃たれたのに、たまたま胸ポケットに入っていたペンダントなんかに当たって
命が助かったなんて場面があったりしますよね。
そんな都合のいい話、
実際にはありえないだろうと思っちゃいますが、そうでもないみたいですね。
先日南アフリカで、男性が拳銃で撃たれたんですが、
たまたまスマホで電話中だったため、頭部に当たるはずの銃弾がアイフォンに被弾し、
九死に一生を得たなんて事があったそうですね。
この五十一歳のマックス・ムクァディさんという男性は、
南アフリカのダーバンというところに店舗を持つ実業家でして、
彼が夕方、自身の店を出て車に乗り込み車道に出たところ、
見知らぬ男が二人、道路を横切って、一人が助手席側に、
もう一人の男が運転席側に近づいてきたんですね。
そして助手席側の男が銃を発砲したんですが、
これが通話中だったスマホに当たったようなんですね。
ムクァディさんは腕と脚を撃たれながらも車を発進させ、
人通りの多い場所で救急車を呼び病院に搬送されたそうですね。
「男性が頭部を撃たれて病院に搬送されたみたいだよ」
「弾がアイフォンに当たった事で直接被弾しなかったから一命をとりとめたと聞いたけど」
「確かにそうなんだけど、アイフォン越しとはいえ当たってるわけだから、
かなりヤバい状態みたいで、そのままだと遅かれ早かれ死んでしまう可能性が高かったんだって」
「そうなの?」
「結局命を助けるために改造手術を行ったらしいんだよ」
「えっ、仮面ライダーみたいな改造手術を?」
「そう。要するに【アイフォン】じゃなくて【アンドロイド】になったという事だね」
幸いにも一命をとりとめたようでよかったんですが、
そもそも犯人の方も、何でわざわざ通話中に撃ったのかというのも判りませんよね。
「色々とツッコミ所と教訓のある事件だね」
「そうそう。これ、ハンズフリーで通話してたら死んでたわけだから、
最大の教訓は、『スマホで電話する時には、面倒でも電話機をちゃんと持て』って事だよね」
「いや違うだろ」
「じゃあ『体中にスマホつけておけば防弾チョッキになる』って事?」
「それも違うだろ」
「あ、判った。狙撃された時にスマホを持っていれば、スマホに聞けばいいって事だね?
『ヘイ、シリ!ライフルの弾が飛んできているけど、どうすればいい?』『左斜め下に避けてくだい』って」
その間に死んじゃってるでしょうけどね。
「その事件の後、葬式があったみたいだね」
「えっ、何で?その男性、助かったんだろ?」
「そう。だから、身代わりで死んだスマホの写真で葬式をしたみたいだよ」
まあ命の恩人に対して、そのくらいの事をしてあげてもいいでしょうけどね。
微笑亭さん太