メリークリスマス!
「メリークリスマス!タカシ君、サンタのおじさんだよ」
「サンタ?・・サンタって架空の人物でしょう?」
「ハッハッハッ・・何を言ってるんだい、こうして実在してるじゃないか」
「でもさ、サンタって、赤と白の服着てるでしょう?何でおじさん、着物を着てるの?」
「いいじゃないか、着物だって。・・ちゃんと、このソリに乗ってきたし」
「ソリ?それ、座布団じゃん。しかも、紫色って・・」
「しきたり通り、縫い目のない所を前に出してあるぞ」
「えっ、何の話?意味判んない。本当にサンタなの?」
「ああ、本当に、さん太のおじさんだよ」
「・・最初と表記が変わったよね?サンタだったら、空を飛べるの?」
「もちろんだ。時々、仲間内でつまらない事を言って、浮いてしまう事があるからな」
「それ意味が違うよ。飛ぶってさ、夜空の星座の中を飛んでくる感じだよ」
「ああ、いつも正座ばかりだよ」
「また表記が変わってるよ。じゃあ、ここに何しに来たの?」
「タカシ君にプレゼントを届けに来たんだよ」
「プレゼント?何をくれるの?」
「お笑い大好きなタカシ君に、笑いをプレゼントしに来たんだ。
大いに笑っておくれ・・
『クリスマスが来ても、私たちみたいな
付き合って何年も経つマンネリカップルには、あまり意味がないわよね』
『そうだな・・じゃあチキンでも食べるか』
『何のチキン?』
『倦怠期ー・フライドチキン』・・・・・ほら、笑っていいんだよ」
「笑えないよ!何それ?全然つまんない」
「あ~、やはり子供には難しかったか~」
「そうじゃない、ネタのクオリティの問題だよ。
つまんないから、もうボク、寝ちゃおうっと」
「・・ちょいと、タカシ、起きとくれよ。タカシ、ちょいと起きとくれてんだよ」
「・・あ、ママ・・その微妙な江戸弁で起こすの止めてくれないかな。
・・あれ?サンタのおじさんは帰ったのかな?」
「サンタのおじさん?何言ってるの、タカシ。
サンタなんてね、この世にいないんだよ」
「・・ママ、もうちょっと子供に気ィ遣った発言しようか。
・・でもね、昨夜、本当にサンタのおじさんが来たんだよ。
ボクの前で、メチャメチャつまんない小噺を演っていったんだよ」
「そんなわけないでしょう。それはきっと夢よ」
「本当だよ。じゃあ、その小噺、演ってみようか?」
「うん、演ってみてよ」
「・・よそう、また現実になるといけない・・」
メリークリスマス!
皆さんのところにも、さん太クロースがやってきますように・・
微笑亭サンタ