次元が違う事件
この男女間でのトラブルが警察沙汰になって【事件】と呼ばれるようになるなんて事はありますよね。
二〇一五年の中国は浙江省温州市での出来事なんですが、
SNSを通じて一組の男女が意気投合し、お互い良い感じになっていったんですね。
まあこれは、このご時世よくある話ですが、
お互い写真を交換すると女性は女優並みのメチャメチャ美人なんですね。
写真を見て、いてもたってもいられなくなった男性は
『これから君に会いに行くよ』と約束を取り付けて彼女の元へ向かったんですね。
ちなみに会うといっても、男性の住む場所から女性の住む温州市は
日本縦断レベルの遠距離で、交通費だけでも十万近くかかるため、
写真を見た男性が、いきなりトップギアに入った事がよく判りますよね。
きっと移動中は期待に胸が膨らみ、別の部分も膨らんでたんでしょうね。
そんなわけで二人は感動のご対面を果たすんですが、ここで予期せぬ事態が起こるんですね。
何と男性の前に現れたのは写真に写っていた美女とは程遠い、
ぶっちゃけ、残念な感じの女性だったんですね。
何しろ見た男性が、
「・・・え?相撲を引退された朝青龍さん?」
と聞いてしまったらしいですから、写真と実物の違いは、
地球と冥王星くらい離れてたんでしょうね。
最近の写真の加工技術というのは、罪な事をしますよね。
女性も写真の加工を認めたんですが、遠路はるばるやってきた男性は怒りが収まらず、
ブチギレた男性は女性をボコボコにして警察が駆けつける事態となっちゃったんですね。
「お前は何で、この女性を殴ったんだ?」
「だって刑事さん、この写真と実物の違いを見てくださいよ」
「・・・・・・うん、お前は無罪!」
警察もそう言いたくなるくらいの違いがあったんですね。
警察も男性を哀れんだのか、逮捕せずに二人を和解させましてね。
男性は『もう二度とネットは信じない』と泣きながら帰っていったそうですが、
男性からしてみたら、その女性を詐欺罪で捕まえてほしかったでしょうね。
この事件を知った日本の若者が、
「こういう時は殴るんじゃなくて、『チェンジ!』って言うんだよ。
大抵の日本人はこの程度の事、風俗で経験済みだよ。中国人は甘いね」と
謎の上から目線で言ってたらしいですけどね。
男女間の事件は、異性同士の間で起こるとは限りません。
二〇一六年のフロリダ州での出来事なんですが、五十四歳と三十六歳の泥棒二人が、
ターゲットとなる家の正面玄関の鍵を壊して、首尾よくその家に侵入したんですね。
ところが運悪く、その家の主に遭遇してしまったんですが、
この主というのが、身長二メートル、体重百三十キロ越えのガチムチ男。
毛むくじゃらの見た目通り【あっち系】の方で、
男性に対する性的暴行で過去に十年服役していたという、素晴らしい経歴の持ち主だったんですね。
ですから主にとっては、カモがネギを背負ってきたも同然であり、
たちまち二人を縛り上げると、そのまま地下室に監禁して暴行を加えた。
暴行といったって、殴る蹴るの方じゃないですからね・・・
そして五日後に家から微かにもれた泥棒たちの叫び声を隣人が耳にし、
不審に思って通報した事で三人もろともお縄となったんですね。
逮捕された主は取り調べの際に
「奴らは俺の家の正面玄関を壊したから、俺は奴らの裏口を壊してやったのさ」
・・・うまいけど笑えね~って感じですよね。
かつて侵入してきて泥棒たちを、
子供があの手この手で撃退する『ホーム・アローン』という映画が大ヒットしましたが、
この事件が映画化されたら、タイトルはきっと『ホーモ・アローン』になるんでしょうね。
微笑亭さん太