教育界今昔物語
気づけば浦島太郎状態になんて事はあるわけですが、
中でも教育現場は、そんな【新常識】のオンパレードのようですね。
小学一年生の娘さんを持つお母さんが、学校で使うクレヨンを見ながら不思議そうに、
「ねえ、【肌色】のクレヨンはどこにあるの?」
「肌色?そんなのはないよ」
今、クレヨンには【肌色】という色はなく、
それに相当する色には【うすだいだい】と書かれているんですね。
これは二十年ほど前に
『多様な国籍の人が暮らす時代において、差別的だと感じる人もいる』との問題提起があり、
クレヨンを販売している業界全体で【肌色】の名称は使わなくなったからなんですね。
そういった変化というのは随所に表われていて、運動会でも、運動会の華とも言うべき組み体操の【ピラミッド】や【タワー】を止める学校が
年々増えてましてね。
これは受験を控える小学六年や中学三年の保護者が、
ケガで勉強に支障が出るのを嫌がるからなんですね。
でも中には
「先生、是非今度の運動会でピラミッドをやってください。
ウチの子、高校受験が危ないので、是非【ピラミッドパワー】で合格させてほしいのです!」
なんてな事を言ってくる母親もいるそうでして・・・
『溺れる者はファラオもつかむという事なんでしょうかね。
アンデルセン童話に『マッチ売りの少女』という有名な話がありますが、
令和の子供たちは、この童話がよく判らないという話がありましてね。
というのも【マッチ】という物を、触った事もなければ
見た事もないという子が増えてきたためですね。
「ボク、マッチ知ってるよ。不祥事でジャニーズ事務所を辞めた人だよね?」
これはある意味、正解ですけどね。
そのようにマッチが使えない子供がほとんどなものですから、
理科の実験で使う【アルコールランプ】に火を点けられない子供が多いので、
今はアルコールランプから【カセットコンロ】に移りつつあるようですね。
アルコールランプに使われる液体のメタノールは気化しやすく、
爆発の危険性があるためという安全面への配慮からという側面もあります。
マッチで火を点けられなかった子供たちが、SNSを始めると、
すぐに炎上しちゃったりするのは、何とも皮肉な話ではありますよね。
微笑亭さん太