禁忌は破るためにある?
全ての食材を好き嫌いなく何でも食べるのがいいとされています。
しかし宗教が生活の土台となっている地域では、
宗教の戒律によって食生活が厳しく取り締まられている事がよくあり、
特にイスラエルを中心に信仰されている【ユダヤ教】の食べ物に関する戒律は
【カシュルート】と呼ばれ、メチャメチャ厳しい事で知られてるんですね。
ユダヤ教では、そのカシュルートで、
食べてよい物と食べてはいけない物が厳格に区別されていて、
食べてはいけないとされているのは、イカ、タコ、エビ、カニ、貝類などの
ヒレやウロコがない魚介類や、豚やその血液、ウサギや馬などがNGとされているんですね。
また、適切に処理されていない肉を食べたり、
乳製品と肉料理を同時に食べたりする事も戒律で禁じられているため、
ユダヤ教は世界中の宗教の中でも特に戒律が厳しいと言われてるんですね。
「ユダヤ教って、ウロコのない魚は食べちゃいけないんだってさ」
「へえ~、目からウロコだね」
ところが最近、
古代のユダヤ教徒はウロコがない魚もよく食べていた事が判明したそうですね。
考古学の研究チームが三十の遺跡から出土した二万点もの魚の骨のデータを検証したところ、
青銅器時代から鉄器時代では、ナマズやサメ、エイといった
【ウロコのない魚】の骨も多く含まれていた事が判ったんですね。
ある遺跡では、見つかった魚の骨のうちの四十八%がナマズの物だったという事ですから、
むしろ主食並みに食べられていたという事ですよね。
この事実を知ったユダヤ教徒の方々が、
みんな改宗しちゃうんじゃないかと心配になるレベルですよね。
「この間、インドネシア人の留学生と一緒にご飯たべに行ったんだけど、
普通にトンカツ食べてたから驚いたよ」
「えっ、インドネシアってイスラム教だろ?
イスラム教は豚肉をたべちゃいけないんじゃないの?」
「俺もそう思って聞いたら
『大丈夫だ。今インドネシアは夜だから、アラーは寝てる』だってさ」
やはり、信仰より都合が優先するという事なんでしょうかね?
微笑亭さん太