みんなエスパーだよ
「あるよ。俺は車に乗ったら、行きたい方向全ての信号が赤になるって言う特殊能力があるよ」
そんな特殊能力はいらないですけど、確かに何らかの特殊能力があるといいですよね。
ただ当人は当たり前だと思っている事が、
実は特殊能力かもしれないという事はあるようですね。
「俺は、目がいい事以外は、何の取りもないな」
そう仰る方もいますが、『目がいい』というのも、
考え方によっては特殊能力と言えるんですね。
それが証拠に『視力が一・〇以上』という方は五~六人に一人しかいないんですね。
年齢によって平均視力に幅はありますが、ほとんどの年代で
視力が一・〇以上の人は五、六人に一人、一・五以上ともなれば、大体二十人に一人くらいです。
クラスに一人、二人しかいないという事になりますが、
昨今の小学生の視力は年々下がっている傾向にあるそうですから、
『目がいい』というのは、ますます特殊能力化していきそうですね。
授業中に必ず居眠りしている子も、クラスに一人、二人いますが、
人が健康的に過ごすために必要な一日の平均睡眠時間は、七時間から八時間とされていますよね。
ところが毎日六時間未満でも健康的に過ごす事ができる体質を持っている
【ショートスリーパー】と呼ばれる人は、十八人に一人だそうですから、
こちらもクラスに一人、二人はいる割合ですね。
さらに四時間未満の睡眠で体を回復させる事ができる
【超ショートスリーパー】と呼ばれる人たちもいて、
こちらは七千万人に一人の割合ですから、なかなかいませんよね。
発明王のエジソンやフランスの英雄ナポレオンなどがこれに当たるそうですが、
ナポレオンなんかは、あまり寝てなかったので、
自分の辞書に【不可能】という文字が載ってないなんて妄想を抱いてたのかもしれませんね。
共感能力が極度に高い人たちの事を【エンパス】と言うそうでして、
これは百人に一人の割合だそうですね。
どれくらい共感能力が高いかというと、
他人と自分の感情が区別できないくらい高いんだそうですね。
つまり相手が嬉しい感情になれば自分も嬉しい感情を共感でき、
幸せな気持ちになる事もできるそうですね。
反対に目の前の人が恋人に振られて落ち込んでいると、
自分も恋人に振られたような落ち込みを感じてしまうそうですから、
他人の感情に左右される性格と言えますよね。
「俺って、やたらと人に共感しちゃうから【エンパス】ってやつだな」
「そうなんだ。俺は紙を見ると、やたら円を書きたくなっちゃうんだよね」
「それは【コンパス】だな」
頭の良さを計るのにIQというのがありますが、
IQの平均値は百で、八十五~百十五の間に約六十八%の人が収まり、
七十~百三十の間に約九十五%の人が収まるそうですね。
「頭がいいってのは一種の特殊能力だよね」
「そうそう。IQ百三十以上で異常に高い部類に入るので天才と言っていいんだけど、
四十四人に一人くらいだってね」
「クラスに一人はいそうな割合だね」
「超天才と言えるIQ百四十四以上は、七百五十人に一人だって」
「学校に一人はいそうな割合だね」
「これがIQ百八十以上になると、二千百万人に一人だってさ」
「学校の開校から廃校までに一人出るか出ないかという割合だね」
「一般的に男性より女性の方が頭がいいんだってさ」
「そうなの?」
「ほら、よく言うだろ、『男は度胸、女はIQ』って」
男性も女性に負けないように勉強しなきゃいけませんね。
微笑亭さん太