触れてはならない性域
世間ではその性別の垣根というのが、どんどんと取り払われていく方向にあるようですね。
学校などの教育現場でも、男女の垣根は消えつつあるようで、
クラス名簿は男女混合の五十音順が主流になってましてね。
【あおい】とか【ひかる】【まさみ】などといった名前は、
名簿を見ただけでは男女の区別はつかないので、先生たちも苦労されるでしょうね。
最近は様々なところで【LGBT】の問題を耳にしますよね。
そういった性的マイノリティな方々にも、理解が必要な世の中になってきたという事ですね。
「LGBTと言ったら、レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーになるわけだけだけど、
それ以外にも、色々あるって知ってる?」
「えっ、そうなの?」
「全部で【LGBTQQLAAPPO2S】なんて言うそうだよ」
「随分沢山あるね。LGBTの後の【Q】ってのは?」
「【クイア】と言って、【風変わり】とか【奇妙】という意味なんだけど、
通常とは違う個性的な性を肯定的に受け止めている人たちの事だね」
「へえ~なるほど。その後にも、もう一つ【Q】があるね」
「こっちのQは【クエスチョニング】。
男性か女性か、またはそのどちらでもないか、自分の性に疑問を持っていたり、
あえてまだ決めていない人たちの事だね」
「【I】は?」
「【インターセックス】と言って、身体的性が、
男性や女性のどちらにも一致していない人たちだね」
「その後には【A】が二つ続いてるね」
「最初のAは【アセクシュアル】で、異性や同性に恋愛感情を抱く人たち、
二つ目のAは【アライ】と言って、自らは普通なんだけど、
こういった性的マイノリティの方々に理解があり、活動などに協力したりする人たちの事だね」
「あ、協力者も含まれるんだね。その後にも【P】が二つ続いてるね」
「最初のPは【パンセクシュアル】で、
男性、女性、中性といった性別にこだわらずに恋愛感情を抱く人たちの事、
二つ目のPは【ポリアモラス】で、複数の人を同じように愛する事ができる人だね」
「あ~、俺はそのポリアモラスかも」
「お前は単なる浮気性だよ。一緒にするな」
「じゃあ最後の【2S】というのは?」
「【トゥースピリット】と言って、自分の中に、女性の魂と男性の魂が
二つ同時にあると感じている、精神的に両性具有みたいな人に対して使われる言葉だね」
「へえ~実に色々あるもんだね」
「お前の場合は、【LGBTQQLAAPPO2S】どれでもなく【H】だな」
「何だい、【H】って?」
「【ヘンタイ】だよ」
どういう性的嗜好の方々とも、うまく共存していかなければならないという事でしょうね。
微笑亭さん太