体内の値段
その野菜やフルーツを作った人の写真が、商品に貼られている事がありますよね。
あれは『私が責任を持って作ってますよ』というデモンストレーションでもあり、
消費者にも顔が見える安心感というのがありますよね。
ただ作っている方の顔が、たまたま【悪人顔】だったりすると、
売り上げに響くという事はあるかもしれませんね。
「ウチのお父さん、野菜作りの腕は一流なのに、
顔が【抜け荷をしている廻船問屋】みたいな顔してるのよね。
こんな写真貼ってたら、野菜が売れなくなっちゃうわ。何とかしないとね~」
悩んだ挙句、お父さんの目のところに黒いラインを入れたら、
余計に怪しくなっちゃったそうでしてね。
野菜に生産者の写真が貼られるのなら、
人間の子供にも両親の写真を貼ったらどうですかね。
ベッドの上でニッコリ笑ったお父さんとお母さんが
【私たちが作りました】みたいな感じで写っていて、一言エピソードも添えられてましてね。
【忘年会の日の帰宅後、酔って押し倒しました】・・・それを見た人が、
何でこの子の誕生日が、十月十日なのかを理解したりするわけですね。
病気などで臓器移植を受けた方は、どんな人がドナーなのか知りたくなるのは人情ですよね。
さすがに臓器には、写真は貼られてませんからね。
海外で女性に誘われてホテルに行き、お酒を飲まされた途端に眠くなり、
目が覚めた時には腎臓を一つ摘出されていたなんという、怖い都市伝説があったりします。
そういう臓器は闇市場で高値で取り引きされるなどと言われますが、
実際にどのくらいの値段がするのか、興味深いところでもありますよね。
相場によると一口に臓器と言っても、臓器の種類によって随分値段が違うようですね。
心臓は日本円で約九百五十二万円、肝臓は約千二百五十六万円と高いんですが、
小腸は約二十万円、胃と脾臓は約四万円と安いようですね。
胃などは、人工で機能を補えるから安いんですかね。
焼肉屋で【ホルモン】や【ミノ】に比べて【ハツ】や【レバー】がこれだけ高かったら、
絶対お客さんと揉めるでしょうね。
臓器以外の体の部分にも値段がついていて、
頭蓋骨と歯は約九万六千円、肩は四万円だそうですね。
「肩は四万円と聞いてたけど、この肩は何で三億円もするの?」
「この肩は、大谷選手のものなので」
それなら三億でも安いですよね。
あと、手と手首は約三万円だそうですね。
「手をもう一本もらえますか?」
「三本目の手が必要ですか?何に使うんですか?」
「本当に欲しい物があった時に、喉から出すんです」
そんな使い方もあるかもしれませんね。
微笑亭さん太