遺伝子の婚活
二十五年経った今でも、なぜか一緒にいるのよね~」
なんてんで腐れ縁をボヤいてる方がいる一方で、
運命的な出逢いだと思って結婚したら、三ヶ月で別れちゃったなんて方もいる通り、
男女の相性というのは、当人たちでもなかなか判らないというところがありますよね。
生涯の伴侶を求めて、
毎日のようにマッチングアプリをチェックしているという方もいるでしょうが、
そんな方には耳よりな話がありましてね。
顔立ちや条件は置いておいて、本能的に異性への魅力を嗅覚を通じて感じ取るという
【HLA遺伝子】というDNAがあるんですが、これに着目した婚活サービスがあるようですね。
出会った時は好みだったのに、歳月や環境の変化で相手に対して
『あれ?違う』と思ってしまう事はありますよね。
そのように人の好みは変わるんですが、HLAは一生変わらないそうですね。
早い話が、科学的に相性を数値化して、生涯命の伴侶探しを後押しするというものですね。
【ノッツェ】という結婚相談所では
『DNAマッチングコース』というのをスタートさせているそうでして、
入会金三万二千四百円に加え、遺伝子検査料五万四千円が必要という、
結構高額ではありますが、登録者は月間百~二百人ペースで増えているそうですね。
このサービスは、採取した唾液によりHLAの種類と型を判定するのが特徴で、
人間のHLAは約一万六千通りあるそうですね。
HLAタイプが離れていればいるほど、
女性が男性にキュンとして恋心を抱きやすくなり、妊娠率も高くなるんですね。
要は自分と似ていないほど相性が良いわけでして、
遺伝子タイプが全て一致していれば相性は〇%、一致が全くない場合を百%の相性として算出し、
婚活パーティーの参加者には、各異性の自分との相性率が数値で伝えられるんですね。
見た目や職業、年収などに並ぶ基準として、
遺伝子の離れた良きパートナーを選ぶ方法を提示しているという事ですが、
婚活も左脳で考える時代になってきたんですね。
ですからこの結婚相談所の婚活パーティーは、
相手が見えない御簾越しに男女が並ぶという【平安時代方式】で行っているそうですが、
これは、見た目の先入観を排除するためだそうですね。
「あなたはこの人と、相性バツグンです!」
と言われて御簾を上げたら、相手が非常に残念な風貌である可能性も当然あるわけですよ。
「あの・・・本当に僕はこの人と相性が良いんでしょうか?」
「もちろんですよ。あなた今、この女性の顔を見てショックを受けられましたよね?」
「あ・・・まあ・・・はい」
「こちらの女性も、あなたの顔を見てショックを受けられましたから、相性バツグンです」
中にはこんな事もあるかもしれませんが、入会金三万二千四百円、
遺伝子検査料五万四千円も払うのなら、美味しい物食べて、エステに行って、
美容院に行って自分磨きをして、モチベーションアップを図った方がいいと考える方も
出てくるんじゃないですかね。
微笑亭さん太