タイム・イズ・真似
学生でも社会人でもかかってしまうと言われてますよね。
ところが最近の新入社員の若者たちは、ほとんど五月病にかからないそうですね。
「会社に入った新人の若者たちは、あまり五月病にかからないと聞きましたが、何故ですか?」
「ええ、五月病を発症する時期まで会社にいないからです」
中には入社式の帰り道に、ハローワークに立ち寄る若者もいるなんて話もありますから、
平成、令和生まれの若者たちは、どんどん我慢ができなくなっていくんでしょうかね。
学校なんかだと、五月病で沈んでいるクラスを元気づけてくれる、
お調子者のクラスメートがいたりします。
そういう連中というのは、持ちネタの中に、必ずと言っていいほど
『先生のモノマネ』というのが入ってますよね。
「ミツル、あんた高校の頃、みんな成績は最悪だったけど、
なぜか【日本史】の成績だけは良かったわよね。あれは何で?」
「ああ、その事。あれはさ、日本史の先生が特徴的な話し方をする人だったから、
当時クラスでモノマネして友達を笑わせてたんだよ」
「そうなの?」
「あまりにウケるもんだからさ、よりモノマネのクオリティーを上げるために
授業内容を必死に暗記して真似してたら、成績が良くなったんだよ」
「え~っ、そんなろくでもない理由だったの!?」
「あまりにも頻繁に先生のモノマネしてたら、先生の耳に入ったらしくて、
日本史の授業で先生からモノマネについて言われた事があるんだよ」
「あ~、ついに怒られたんでしょう?」
「いや、『モノマネができるという事は、話をちゃんと聞いているという事だ』って、
褒めてくれたよ・・・高校時代、俺が唯一、先生に褒められた事がそれなんだよ」
こういう事というのは実際にあるんですよね。
『真似るは学ぶの第一歩』なんて言葉もあるそうですが、
【学ぶ】の語源は【真似る】から来ているという説があるようですね。
【真似る】が【真似ぶ】になって【学ぶ】になったという事ですから、
大いに先生のモノマネをするべきという事になりますよね。
あるベテランの物理の先生に、
「先生は、学生時代から【物理】の教科が得意だったんですか?」
「いえいえ、私は物理が大の苦手だったんですよ」
「そうなんですか?それが何故、物理の先生に?」
「・・・もう時効だから言いますが、物理が苦手だったので、
試験前にいつも、カンニングペーパーを作ってたんですよ」
「えっ、先生が?カンニングペーパーを?」
「カンニングペーパーって、小さな紙に書かないといけないので、
簡潔にまとめられた内容が必要になってくるんですよ。
完璧なカンニングペーパーを作りたい一心で、
教科書を何度も読み直してるうちに暗記しちゃって・・・気づいたら、
物凄く得意な教科になってました」
・・・そうしてみると、カンニングをするというのは、満更悪い事ではないんでしょうかね?
微笑亭さん太