植物由来の人間
お医者さんと患者さんの会話を聞いてると、結構面白かったりしますよね。
風邪を引いて来ていた小学生の男の子に先生が、
「ボク、食欲はあるかな?」と聞いたら、
「おかず次第です」
と答えたって話がありましてね。
当人はきっと、真面目に答えてたんでしょうね。
重度の昏睡状態を指す【遷延性意識障害】という症状がありまして、
これは一般的に【植物状態】と呼ばれている状況ですね。
以前1983年に自動車事故に遭って以来、2006年まで植物状態だったベルギー人の男性が、
実はその23年間、ずっと意識があった事が明らかになったなんて事がありましてね。
事故当時20歳だったその男性は、46歳になっても身体は麻痺状態にあったんですが、
理学療法によって、僅かながら運動機能を回復し、
コミュニケーション用の特別なコンピューターによって23年間の詳細が判ったんですね。
彼は周囲の人々には意識がないと思われていたわけですが、
医師が言っている事は全て聞こえていたそうです。
ただ叫んでも声は出ないし、コミュニケーションをとる事が全くできなかったわけですね。
これは当人にしてみたら、フラストレーションが溜まりますよね。
しかし、実際こういう事はあるようですね。
看護師さんが、もう危ないのではないかという植物状態の患者さんのすぐ側で、他の看護師さんに、
「残念だけど、この患者、もう助からないわね~」
なんてな事を言ってたら、その後、奇跡的に回復したそうでしてね。
元気になった後、その患者さんに、
「看護婦さん、あの時、俺はもう助からないって言ってたの、聞こえてましたよ」
と言われて ゾッとしたなんて話があるそうですね。
ですから世の奥さん方も、お姑さんが昏睡状態になった時には、
ちゃんと酸素供給のチューブなどを抜いてから悪口言った方がいいですよね。
事故などで植物人間になってしまうと大変ですが、
【植物っぽい人間】がいたら面白いですよね。
肌の色は緑っぽくて、土の上で暫くジッとしていると、すぐに根が生えてきちゃうんですね。
雨の日は妙に元気がよかったり、他人に息を吹きかけられると光合成を行っちゃいましてね。
女子からは何故か人気がありまして、彼女たちがすぐに髪の毛をむしりに来るんですね。
「・・・ちょっと!僕の髪の毛をむしって【花占い】は止めてください!」
これは困りますよね。
そして、好きな女の子へのプロポーズの言葉は、
「ボクの花粉を、受粉してもらえませんか?」
これがまさに、求婚(球根)ってヤツですよね。
微笑亭さん太