販売元が学習した事
虫や爬虫類などを怪物のように怖がったりするなんて事があります。
新宿育ちの奥さんと旅行に行ったら、
旅先の旅館でウシガエルの声を初めて聞いて怯えてしまい『怖くて眠れない』と、
夜中に帰るハメになったなんてご夫婦がいらっしゃいましてね。
リアルに【カエルが鳴くから帰る】を体験するってのは、なかなかない事ですよね。
どんなに時代がデジタル化していっても、
小学校などの授業では【ノート】を使うわけでして、
きちんと勉強している子のノートを見ると、実にうまくまとめられていて、感心したりします。
主に小学校で使われているノートのひとつに【ジャポニカ学習帳】というのがあります。
表紙にカブトムシなどの大きな写真が入っているのが特徴で、
1970年の発売以来、累計12億冊以上を販売した、
学習ノートのパイオニアとも言える存在です。
学年や科目ごとに異なる約50種類が販売されていて、
商品の形に商標権を認める【立体商標】として認められるなど、抜群の知名度を誇っています。
ところがの2012年から、
代名詞とも言うべき【昆虫の写真】が、表紙に使われなくなったんですね。
そのきっかけというのが、利用者たちから寄せられた意見でしてね。
『娘が昆虫写真が嫌で、ノートを持てないと言っている』とか
『授業で使う時、表紙だと閉じる事もできないので困る』といった、
子供の親たちからだけではなく、教師からも同じような声が上がったんだそうですね。
販売元の【ショウワノート】にとっては苦渋の決断でしたが、
改版するたびに徐々に減らしていき、完全に姿を消したんだそうですね。
こうなると、『次はウチの商品が気持ち悪いと言われるのではないか』という事で、
【トンボ鉛筆】が戦々恐々としているらしいですけどね。
「やっぱり子供のノートの表紙には、綺麗なお花の写真が一番よね~」
好まれるのは【花の写真】だそうですけれども、よく考えてみれば、
花というのは【性器】ですからね。
しかも発情しまくりの。
そちらの方は問題ないんですかね?
「ちょっと、これにも虫の写真がいっぱい載ってるじゃないですか!
こんなの見せるのは止めてください!」
こんなクレームで、【昆虫図鑑】がこの世から無くなる日も、そう遠くない気がしますね。
ノートの表紙も、写真以外の物を使ってみたらどうでしょうかね。
「うわっ!何、このノート!?気持ち悪い中年オバサンの顔が載ってるじゃないの!」
「いえ、お母さん、その表紙は【鏡】です」
これならクレーム言われる事は、絶対ないでしょうね。
微笑亭さん太