贈り人たち
サンタクロースのおじさんも外出自粛になっていて、
プレゼントを届けに来られないらしいのよ。残念だけど仕方ないよね~」
昨年のクリスマス、そんな理由で
クリスマスプレゼントを買わずに済んだという親御さんがいたかどうかは定かではないんですが、
毎年必ず、サンタクロースの名の元に、子供たちのところへはプレゼントが届きますよね。
親御さんが代役を務める場合がほとんどでしょうが、
中にはお爺ちゃんに頼むなんてご家族もありましてね。
小さな二人のお子さんがあるご家族、
クリスマスの日は、サンタさんを装ったお爺ちゃんが
玄関の外にプレゼントを置きに来るんですね。
そしてプレゼントを置いた後、
『プレゼントを届けたよ~』という事で、玄関のチャイムを鳴らすんですが、
子供たちは一目サンタさんの姿を見ようと、玄関に駆けつけてくるんですね。
お爺ちゃんの方は姿を見られてはいけないという事で、
チャイムを鳴らしたらすぐに逃げるという、
ちょっとしたピンポンダッシュ状態になるんですね。
ただ年々、子供たちの足が速くなってくるという事で、
そのダッシュを振り切るためクリスマス前になると、
お爺ちゃんが体を鍛えだすなんて話がありまして・・・平和なご家庭でいいですよね。
プレゼントを貰うというのは嬉しいものですが、
『何かを獲得した時に得られる喜び』というのは、マンネリ化によって減少するそうですね。
それは、誰でも同じ出来事を経験したり、同じものを貰ったりし続けると、
その快楽に適応してしまうからなんですね。
しかし最近、シカゴ大学の社会心理学者が
『与える喜びは例外的に長く継続する』という研究結果を報告したんですね。
同じ方法で同じ物を与え続けても、そこから得られる喜びはマンネリ化しにくいという事ですね。
研究チームは、贈り物をした時の幸福感と、
贈り物をもらった時の幸福感を比較するための実験を行ないましてね。
その実験は96人の大学生が5日間、毎日5ドルのお金を受け取るんですが、
彼らは受け取ったお金を、毎回全く同じ事に費やさなければいけないんですね。
参加者たちは自分のためにお金を使うか、
もしくは募金やチップなど、他の人のためにお金を使うかランダムに振り分けられ、
一日の終わりに自身の幸福状態を自己申告するんですね。
その結果、自分自身にお金を費やした人は、
5日間に渡って幸福感が着実に低下していったんですが、
他の誰かにお金をプレゼントした人たちの幸福感は衰える事がなかったんですね。
5回連続で同じ額のお金を送る喜びは、スタート時と同じくらい強かったわけです。
「プレゼントって、貰うよりも、あげる方が喜びが長続きするんだって」
「なるほど。そうしてみると、サンタクロースはプレゼント中毒って事なのかな?」
「クリスマスが来るたびに、プレゼントを渡す快感と、
世界中から感謝される承認欲求に浸って、恍惚の表情を浮かべてるのかもしれないね」
そんな風に考える心の汚れた大人にならないように、
令和に生きる子供たちは心がけてほしいものですね。
微笑亭さん太