給湯ハニー
若い時分は全く興味がなくても、大人になっていくにつれて、
『もっと日本文化を知る必要があるのでは?』と、
だんだん興味がわいてくるなんて事があります。
ただ、これらを実際に習いに行くのは、なかなかハードルが高いですよね。
そんな中、現代版の茶道とも言うべき【給湯流茶道】なるものがあるそうですね。
茶道を確立した千利休の時代、
【茶会】というイベントの参列者は侍だったわけで、その侍が合戦の合間に、
暫しの静けさを嗜んだのが【茶】でしてね。
今現在の世で、かつての侍の如く最も戦っているのは、
サラリーマンやOLの方々だといえますよね。
サラリーマンたちの戦場である、オフィスの給湯室でお茶会をしてしまおうと、
OLの家元が創設したのが、この【給湯流茶道】なんですね。
給湯流茶道とは、茶道を現代版にアレンジした新しい流派の事で、
茶道のコンセプトも茶道具も、現代人に判りやすいように置き換えてるんですね。
茶道と言えば茶菓子が付き物でして、菓子をのせるのには普通【懐紙】を使いますが、
給湯流茶道で使うのは【名刺】なんですね。
自分の肩書きの上に菓子をのせてしまおうというわけです。
利休らが考案した茶室は、武士の刀を外させて入場させるために、
わざと入口を狭くしてましたが、この【茶室の中では武士も商人も平等だ】という考えを、
名刺の肩書きを捨てさせるというところに反映させたんだそうですね。
お湯の淹れ方も独特でしてね。
茶道では茶釜からという事になりますが、オフィスの給湯室には茶釜がないので、
普通に電気ポットから淹れるそうです。
とは言っても、そこは茶道ですので、左手を添えて、
人差し指と中指でそっとボタンを押すというような具合に、
美しい所作でお湯を淹れる事が求められるんですね。
出されたお茶を一口飲んだ後、
「これは、象印でございますか?」
「いえ、タイガーでございます」
こういう、味が判らない若い社員の事を【ポット出の新人】と呼んだりするわけですね。
茶碗も、抹茶茶碗の代わりに、大量生産の安いマグカップを使いますし、
お茶会自体も、給湯室でOLたちが上司の噂をするように、
仕事にまつわる話で盛り上がりましてね。
利休や秀吉が茶会で、
『次、誰と戦う?』なんてんで、オフィシャルにできない仕事の話を、
ざっくばらんに話していた史実の現代版という事のようですね。
男女交えて話が盛り上がると、どんどんお茶が進みましてね。
「ちょっとお茶を飲みすぎちゃったからさ、トイレに行ってくるね」
トイレから戻ってきた男性社員のチャックが全開だったりすると、
それを見た一同が、侘びさびの風情を感じたりするわけですね。
これがいわゆる【茶会(社会)の窓】というやつなんでしょうね。
↓告知です!
●3/15(月) 午後7時~
『月例寄席』
豊橋・花園商店街(HANACOYAにて) 木戸銭¥100
出演 微笑亭さん太 鶴橋減滅渡 何逸亭長久 髪家三代
毎月第3月曜日に行われている定期公演です。
是非一度お越しくださいませ。
●3/18(木) 午後2時~
『道の駅とよはし トマッテ寄席』
道のえき・とよはし(豊橋市東七根町一の沢113ー2)プロジェクト室
木戸銭¥500
出演 微笑亭さん太
誕生してまだ1年半ほどの大人気施設、
『道のえき とよはし』にて落語会をやらせていただきます。
手探りで始める落語会ですので、どうなるか判りませんが、
是非お越しいただきたいと思います。
●3/28(日) 午後2時~
『萬徳寺寄席』
岡崎・萬徳寺(東岡崎駅から徒歩5分) 木戸銭無料
出演 微笑亭さん太 鶴橋減滅渡 立の家猿之助 南遊亭栄歌
年に2回行われている定期公演ですが、
【楽語の会】と【天狗連】のコラボ寄席となります。
東岡崎駅から徒歩数分、交通の便もいいですので、是非お越しください。
微笑亭さん太