かつては映画を極めたのに・・
「それがさ、直前にラインが来て『ごめん、体調悪くなっちゃったから、
今日の映画デートはキャンセルね』って」
「それは残念だったな」
「ガッカリしてたら、今度は知り合いからラインが来て
『人数合わせで合コンに来てほしい』って頼まれたんだよ」
「合コンの誘いとは渡りに船だね。良かったじゃん」
「それで顔を出したら、そこに彼女がいたんだよ」
これは気まずいですよね。
映画と言えば、洋画を見る場合、
【字幕派】か【吹き替え派】かで意見が分かれますよね。
『イメージと違う声優さんが吹き替えをするとガッカリするから』というのが字幕派の言い分で、
『いちいち字幕を読まなくていいから、映像を見る事に専念できる』というのが
吹き替え派の言い分みたいですね。
「俺はやっぱり、洋画は字幕だな」
「そうなんだ。
俺は吹き替え派だけど、洋画の吹き替えのセリフって独特の言い回しがあるだろ?
日常会話の中に、ちょくちょく洋画の吹き替えっぽいセリフを入れると楽しいよ」
「どういう事?」
「例えばご飯食べてる時、『おい、醤油取ってくれ』って言われたら、
それに対して
『嫌だと言ったら?』とか言うんだよ」
「あ~そんな言い回しするね」
「さらに『ちょっと待て。今、何と言った?』
『え?醤油・・・』『違う、その前だ!』とか言うんだよ。
醤油を取ったら取ったで『よ~しいい子だ。それをこっちへ渡すんだ』てな事言うんだよ」
これはなかなか楽しそうですね。
総務省の社会生活基本調査によると、映画館での映画鑑賞の平均行動日数は、
二〇〇六年からの十年間で全年代において減少していて、
十代から二十代の若い世代に至っては、映画自体を見る機会が
低下している傾向にあるそうですね。
映画館へ足を運ぶ機会が減ったという若い世代の人たちに、
その理由を聞いてみると『千九百円という料金が高すぎる』とか
『途中でトイレに行きたくなる』『ドリンクが冷める』といった様々な声の中、
『集中力が続かない』というのが大きな理由の一つのようですね。
ネットで動画を見る世代にとっては、ユーチューブの動画は長くても十分前後なので、
ちょっとした空き時間でも楽しめるし、面白くなかったら、
他の動画に切り替えればいいわけですね。
そういう感覚の若者たちは、
二時間を超えるような映画を見続ける事が苦痛みたいですね。
・・・と言いつつも、二時間のゲーム配信動画とかは見るわけですから、
案外集中力はあるんじゃないかと思いますけどね。
もっと映画館に足を運んでもらい、二時間の作品を最後まで見てもらうため、
見た後、映画の内容に関するクイズをしたらどうですかね。
もちろん、高得点の人には賞品がつくわけです。
「お客様、おめでとうございます!最高得点のあなたには、豪華な賞品を進呈致します」
「えっ、そうなんですか?嬉しいです。
で、賞品というのは?」
「ハリウッドに渡り、製作費三十億の映画を作る権利です!」
これは逆に迷惑かもしれないですね。
微笑亭さん太