キレる社員たち
英語が話せると非常に役に立つ事は言うまでもないですが、
実は日本人の中で【ルーマニア語】を話せる人というのが結構いるんだそうですね。
どうやって見分けるのかというと、
職場などで相手に無茶な仕事や依頼を振って『無理無理無理!』と言い始めたら、
その人はルーマニア語を話せる人ですね。
なぜならルーマニア語で【死ぬ】は【muri】なので、
無理な仕事を振るというのは、ルーマニア語を話せるかどうかを確かめる手段になるわけですね。
ちなみに『無理~』と伸ばした場合は、
単純過去一人称単数の【murii】となるので【死んだ】となり、
残念ながら手遅れという事になるんでしょうかね。
コロナで業績がガタ落ちしたため、
給料やボーナスがカットとなる会社も珍しくないですが、
そんな中、あえて特別ボーナスを出すという会社があったら、社員としては大喜びですよね。
「ウチの会社、メチャメチャ業績が落ちたせいで、ボーナスがカットになっちゃったよ」
「そうなんだ。
ウチはね、この間、俺の使ってるパソコンに会社からのメールが届いてね。
何だろうと思って見てみると『社員の皆さんの素晴らしい働きへの感謝の印として、
最大で百五万円のボーナスを支給します』という通達のメールだったんだよ」
「それは凄いね!お前の会社、太っ腹だね。
じゃあそのメールは、社員全員に送られたんだな?」
「そうみたい。
自分はどのくらい貰えるんだろうかとワクワクしながら、
メールのリンクをクリックしたら・・・それで【終了】しちゃったんだよ」
「・・・え?終了?どういう事?」
「そのメールって、ウチの会社の社員が
詐欺に遭わないかどうかを試す【テスト】だったんだよ。
だからボーナスなんて一銭も出ない上に、
ボーナスに釣られてリンクをクリックした時点でアウト、テストに落ちたって事なんだよ」
この話、ネタではなく、
イリノイ州シカゴに本社を置く『トリビューン・パブリッシング』という新聞社で
実際にあった話なんですね。
要はトリビューン社は、
社員らがネット詐欺に遭わないかどうかを試すテストを実施したわけです。
サイバーセキュリティ強化策として
社員の警戒感を高めるために、このようなテストを行い、
詐欺に引っかかる割合を調べる企業は少なくないんですが、
今回このトリビューン社がまいた【ボーナス】というフェイクの餌は、
大顰蹙を買ったようですね。
というのも、パンデミック中のコストカットとして
減給や三ヶ月の無給、一時解雇を言い渡された社員もいる中でのこのメールは、
『いくら何でもタイミング的にひどすぎる』という事で、
メールを送った当日の夕方、トリビューン社は『社員を傷つける意図はなかった』と
誤りを認めて謝罪したそうですね。
社員はみんなアメリカ人ですから、きっとメールを見て、
スマホを投げる勢いで喜んでいたであろう事は想像に難くないですから、
その後の絶望や怒りもひとしおだったでしょうね。
テストをするだけしてみて、『ウソだよ~』ってネタバレした後、
少額であっても実際にボーナスを支給すれば、
それはそれで受け入れられたと思うんですけどね・・・
このテストを考え実行した人が一番【テスト失格】という感じじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太