不足の事態が起こりました
最近は夏場でも、暴走族と呼ばれる連中というのは、めっきり少なくなりました。
暴走族自体が、やや過去の遺物となりかけているような印象がありますが、
昭和から平成の初期には、警察も一目置くような大規模な組織がありましたよね。
元暴走族の男性に、
「暴走族を大きくするコツは何ですか?」と聞いたら、
「集会の時間に、ちゃんと集まる事」
と即答したそうでして・・・ああいう組織でも、きっちりと時間を守り、
ルールを重んじるという事が大切なんですね。
バイクに乗って街中を暴走するというのも、
ある意味、健康じゃないとできない事ですが、
人にとって健康が大事なのは言うまでもありません。
健康を維持するためには、適度な運動が必要となりますが、
今、【運動不足】が世界的にも問題視されてましてね。
WHOは二〇一八年に、世界中の十四億人以上の成人が運動不足で、
二型糖尿病や心血管疾患、ガン、認知症などにかかるリスクが高い事を発表してるんですね。
これらが【生活習慣病】と呼ばれるように、
無意識に過ごしている日々の習慣はダイレクトに健康へ影響していて、
暴飲暴食や喫煙などの生活習慣が病気の原因になるのは、誰もが知っている事ですよね。
実際に毎年の健康診断の結果を見て、お酒を控えて塩分を気にする方も多いですからね。
ところがデータを見てみると、日本における生活習慣病での死亡者数は、
過度な塩分やアルコールの摂取、糖尿病を引き起こす高血糖よりも
【運動不足】の方が死者数が多く、おおよそ五万人もの方が亡くなってるんですね。
運動不足も喫煙や飲酒と同じように、健康を脅かす問題の一つなのは確実ですね。
その運動不足にも関係してくる事ですが、
近年では【座りすぎ】と死亡リスク増加との関連が言われてましてね。
世界五十四ヶ国の死亡者数の三・八%にあたる四十三万人弱が、
毎日、長時間座って過ごす生活習慣によって死亡しているという研究結果もあるんですね。
そして日本人は『世界一座っている』という調査結果もあるほど、
一日の大半を座って過ごしている人が多い国なんですね。
一日九時間以上座っている成人は、七時間未満と比べて、
糖尿病になる可能性が二・五倍も高くなるそうですね。
日本の糖尿病にかかる医療費は世界第五位ですが、
ひょっとしたら【座りすぎ】と関連しているのではないかという話ですね。
「日本人は世界一座ってると言うけど、
平均寿命の世界ランキングだと常に上位だから、説得力ないんじゃないの?」
「いや、座らなかったらもっと長生きしちゃうから、座っててちょうどいいんじゃないの?」
そうかもしれませんね。
「柴田さん、あなたちょっと会社で座りすぎじゃないですか?」
「何言ってるんですか課長。
私、会社では毎日、雑用で飛び回って、ほとんど座ってる暇なんてないんですよ」
「いや、あなたは入社する時、『会社は結婚までの腰掛けです』って言ってたのに、
あれから十五年、ず~っと腰掛けっぱなしじゃないですか」
これは、相手が見つからないため、立ち上がりたくても立ち上がれないという事ですよね。
微笑亭さん太