表向きより、裏向きの理由
これは『洗車し始めると雨が降る』とか
『トーストを落とすと必ず、バターを塗った方が下にくる』といった、
哀愁に富む先人たちの経験則を言うわけでして、
これを発展させた『バター猫のパラドクス』なるものも誕生しました。
これは『バターを塗ったトーストは必ず、バターを塗った面を下に着地する』という事と、
『猫は常に足を下にして着地する』という事を踏まえて、
『もしもバターを塗ったトーストを、バターを塗った面を上にして猫の背中にくくり付けて、
ある程度の高さから猫を落としたらどうなるか?』という疑問ですね。
トーストも猫も、自分が下になって着地しようとするから、
空中で永遠にクルクル回り続けるという
【永久機関】が誕生するのではないかというジョークですね。
ちなみに最近は、新たなマーフィーの法則として
『スマホを落とすと必ず、画面の方が下になる』というのが加わったらしいですけどね。
日本や世界で活躍する科学者の卵を応援する
『グローバルサイエンティストアワード・夢の翼』というのがありましてね。
これは、物理や化学、生物などの分野で研究している事を発表し、
大学教授らが審査するものなんですが、今回、長崎県立大村高校の2年生、
17歳の女の子が落ち葉に関する研究で最高賞の文部科学大臣賞に輝いたんですね。
その研究テーマは『落ち葉の秘密・なぜ落ち葉は裏向きが多いのか』というものでしてね。
それを検証するため彼女は、学校敷地内のクスノキやケヤキ、サクラの落ち葉を日々採集し、
2メートルの高さから落下させたり、風の影響を計測したりする実験に取り組みましてね。
その結果『裏向きの落ち葉は統計的に多い』『落下後に風の影響で裏側になる葉が多い』
『表と裏で反転のしやすさが異なるのは葉の湾曲が原因』との結論を導き出したんですね。
これは凄い事ですよね。
ボ~ッと生きてる我々は、落ち葉が裏向きに落ちてるかどうかなどという事は気にもしませんし、
気づきもしませんよね。
「お前、落ち葉に裏向きが多いって事、知ってたか?」
「もちろん知ってたさ」
「本当に?何で?」
「葉っぱは死んでしまって土に還るわけだが、
太陽に顔向けができないという枯れ葉の矜持・・・見習いたいものだな」
こんな負け惜しみの珍説を掲げるくらいが関の山ですよね。
日常のふとした疑問を科学的に調べるというのが、出来そうで出来ない事で、
仮に疑問に思ったとしても、実験してまで確かめようとは思いませんからね。
【着眼点】と【探究心】と【行動力】を兼ね備えた彼女は、良い研究者になりそうですよね。
「【葉っぱ】と【落語家】は似てるよね」
「葉っぱと落語家が似てる?どうして?」
「【葉っぱ】は、落ちた時の事まで考えて生きてないけど、
【落語家】は、落ちなかった時の事を考えて生きてるから」
似て非なるもの、という事でしょうかね?
微笑亭さん太