計量で軽量へ
長さや重さといった計算基準に関する国際機関に『国際度量衡局』という、
フランスに本部を置く機関があるんですが、3年ほど前に行われたパリでの総会で、
重さの単位である『キログラム』を定義する国際的な基準を、
約130年ぶりに見直されたなんて事がありました。
何でそんな事になったのかというと、
この国際度量衡局は、一キログラムの基準となる合金製の分銅
『キログラム原器』というのを保存しているんですが、
これを洗ってみたら、わずかに重さが減少してしまったんですね。
それで見直す事になったらしいんですが、
『そんなアナログ的な理由で?』と思わずつっこみたくなるような間抜けな理由ですよね。
「えっ?分銅を洗ったら軽くなっちゃったの?へえ~そうなんだ~」
それを聞いた太ったお母さんが、
一日に六回もお風呂に入ってたって話がありましてね・・・いくら洗っても、
お母さんの体重が軽くなる事はないと思うんですけどね。
「でもキログラムの基準が軽くなったって事は、私の体重の数字も小さくなるって事よね?」
・・・残念ながら、それもないですね。
キログラムの基準が変わっても、実際の変化は
数万分の一グラム前後にとどまるようですから、
お母さんの78キロの数字が43キロになるなんて事は絶対にないわけですからね。
しかし考えてみると、
我々が普通に使っている単位の数字というものに着目してみると、
中途半端な数字が多いですよね。
1時間は『60分』ですし、1日は『24時間』ですし、
円は『360度』と、覚えにくい数字ばかりなんですよね。
なぜ100分とか、20時間とか、300度とか、ちょうどの数字になってないのかが不思議ですよ。
そして、同じ単位で計っていながら判断に迷うような事もあります。
よく言われる事ですが『1キログラムの綿と、1キログラムの鉄では、どちらが重いか?』
なんという問題がありましてね。
これ、同じ『キログラム』という単位なんですが、
どうしても材質の方の印象に引っ張られちゃいますよね。
「1キログラムの綿と、1キログラムの鉄では、どちらが重いんですか?」
「それは、足の上に落としてみれば判る」
確かにそんな感じがしますけどね・・・
この問題の正解は『たった1キログラムでは、両方とも軽い』という事ですね。
時代と共に世の中が多様化していってますから、
それに合うように新しい単位も出てくるんじゃないですかね。
涙もろい人を数える単位の『センチ』とか、
神社を参拝した回数を数える『マイル』とか、
霊感商法で怪しげなものを買わされた回数を表す『ツボ』、
食後に爪楊枝で歯の掃除をした回数を表す『シーシー』なんてのがあったら、
便利なんじゃないでしょうかね?
微笑亭さん太