大晦日に思う事
今年は本当に『何もしないうちに一年が過ぎた』という印象があります。
コロナが猛威をふるい始めた春先から高座が飛びまくり
その後の緊急事態宣言を受けて、3、4、5月の高座は
ほぼほぼ全滅状態となってしまいました。
もちろん私だけではなく、
アマプロ関係なく、噺家さんの高座は飛びまくったと思います。
本当に辛い期間でした。
『◯◯へ来て落語をやってください』
様々な方々から、こういったオファーをいただき、落語をやらせてもらうために
自分は、ここまで一生懸命やってきたつもりです。
それが、
『こんなにも簡単に無くなるものなのか』と。
おこがましい言い方かもしれませんが、
自分を、微笑亭さん太という噺家を、完全否定されたような心持ちになりました。
緊急事態宣言が解除された後も
『とりあえず中止』という流れは止まる事はなく、
覚えているだけで80件以上の高座がなくなりました。
キャンセルの電話をもらうたび、本当に、本当に、身を切られる思いでした。
そんな中で
一生懸命、落語会の開催を模索して実現してくださった席亭の方々、
動画配信という形で、高座の依頼を下さった方々、
私の苦しい状況を踏まえた上で、新たな会を立ち上げて下さった方々、
涙が出るほど嬉しかったです。
『ありがとうございました』という言葉を何百回重ねても、感謝しきれません。
コロナの状況は相変わらずで、
来年の高座にも影響が出てきている現状ですので、
年が明けても劇的に改善するとは思えません。
しかし、私は高座に上がり続ける事しかできません。
与えていただいた高座を全力でこなす、それ以外には何もできないのです。
非力であり、無力でありますが、私にできる事はこれしかありません。
来年もまた、
お客さんに喜んでいただけるようなネタを作り、それを高座で演じて笑っていただく、
そんな『馬鹿の一つ覚え』を続けていくしかない私に
お力添えをいただけたら嬉しく思います。
微笑亭さん太