言葉という名の刃物
すくすくと成長して美しい花を咲かせますが、
逆に悪口やネガティブな言葉をかけながら育てると枯れてしまうなんて事を言いますよね。
言葉が命ある物に与える影響力というのは、
思った以上に大きいものかもしれませんね。
「この間、家族で潮干狩りに行ってアサリを沢山獲ってきたんだけどさ、
ウチの兄貴が『アサリにストレスを与えると美味しくなるらしいよ』なんてな事を言うんだよ」
「えっ、そうなの?アサリにストレスを与えるって、具体的にはどうするの?」
「よく判らないから、とりあえず家族でアサリを囲んで、アサリに罵声を浴びせたんだよ」
「アサリに罵声を浴びせる?どうやって?」
「だから『捕まるとか、この間抜けめ!』とか『模様イマイチ!』とか、
寄ってたかって罵詈雑言だよ」
「それ、アサリに通じてるの?」
「通じてるのかどうかは定かじゃないけど、あまりにみんなで罵ったんで、
アサリがキレて俺たち家族に『ボンゴレ(おんどれ)、ええ加減にせえよ、おのれら!』って」
アサリは関西出身なんですかね。
人と人との会話には、なるべく綺麗な言葉、穏やかな言葉を使いたいものですが、
中には簡単に汚い言葉を使ってしまう人もいますよね。
場所や状況をわきまえず、また、自分の意思とは関係なく、
『死ね!』とか『クソ!』『殺す!』などの攻撃的な言葉を発してしまう人は
【汚言症】という病気なんだそうですね。
こうした症状を日常生活の中で自覚している人は結構いるようで、
ネット上には『いつも無意識に汚い言葉をつぶやいてしまう』とか
『ストレスのせいと思っていたけど、病気なの?』『子供が汚い言葉を発するようになって心配』
『治せるのなら治したいです』などの悩みが書き込まれたりしてるようですね。
人と接していると、どうしても意見が対立したり感情的なもつれから、
いさかいになってしまう事もあるでしょうが、どうしても人を罵る時は、
【お嬢様言葉】で罵ると、とても上品になるそうですね。
ですから『クソくらえ!』ではなくて
『排泄物でもお召しになってはいかがでしょうか?』とか、
『殺してやろうか?』ではなく
『心臓の鼓動を止めて差し上げましょうか?』と言い換えてみるのもいいですよね。
『死ね!』ではなく『自ら命をお絶ちになるのもひとつの手かと』と言い換え、
『うるせんだよ、てめえ!二度と口がきけねえように、息の根止めてやろうか!』ではなく
『たいそう賑やかなご様子でいらっしゃいますところ誠に恐縮でございますが、
ご逝去あそばしていただければ幸甚に存じます』
とでも言い換えれば、どことなくエレガントな感じになりますよね。
微笑亭さん太