求む、犯罪者!
そんな犯罪を未然に防ぐために、警察官の方々も警邏を厳しくする季節でもあります。
犯罪の芽を摘むために必要となってくるのが、
不審者に声をかける『職務質問』というやつですよね。
街角で警察官の方に声をかけられたりすると、
何もしていなくてもドキッとしますよね。
「・・・すみませ~ん、ちょっとお話聞かせてもらってもいいですか?」
「何ですか?職務質問ですか?
私はね、酒も飲んでなければ薬物もやってない。
ちゃんとスーツを着てネクタイも締めて身奇麗にしているのに、何で職質されるんですか?」
「ええ、確かにスーツにネクタイされてるんですけど、下に何も履いてないもんですから」
・・・これは当然、職質されますよね。
犯罪を未然に防ぐためには、この職務質問は必要な事ではありますが、
最近『過剰な職質』というのが問題化しつつあるようですね。
特に不審者とも思えない通行人に警官が職質をかけ、
凶器になるとも思えない『十徳ナイフ』などの所持を理由に、
軽犯罪法違反で書類送検をするなんという、
明らかに行き過ぎな職質が横行してるようですね。
様々な道具が一つになっている便利な十徳ナイフは、
一般人の方々でも普通に持ってる物ですよ。
あんな物を凶器にして人を刺そうなんて人は、まずいないと思いますね。
『この野郎、殺してやる!』なんて取り出したら、
『栓抜き』だったなんというのは間抜けですもんね。
営業車に乗っていて、運転席の物入れから業務用のナイフが出てきただけで
検挙されてしまったなんという方も、実際にいたりするんですね。
これはもう、『職質』と言うより『悪質』に近いですよね。
こういった過剰な職質の背景には、警察官への『ノルマ』の存在が言われています。
職質での検挙数や交通違反の摘発に対して、
警察官一人一人の『目標』が掲げられてるもんですから、
そのノルマを達成すべく、躍起になっているわけですね。
警察官の方は常に『犯罪者はいねえが~?』って探し回っている、
ナマハゲみたいな心境で仕事してるわけですよ。
このままエスカレートしていくと、
軽犯罪法違反で立小便を検挙しようと、電柱脇で張り込む警官とか、
店から包丁を買って出てきたところを銃刀法違反で検挙すべく、
金物屋の前が警官でごった返すなんて事があるかもしれませんよね。
我々、職質される側の人間も、
気をつけなければいけませんよ。
何が『凶器』と認定されるか判りませんからね。
「・・・あ~これはマズいですね。あなた、何持ってるんですか」
「何って、ただのボールペンですよ。普通にみんな、持ってますよ」
「これで誰かに『脅迫文』でも書くつもりだったんでしょう?これは『凶器』ですね」
「ちょっと待って下さいよ!そんな事しませんよ」
「あ~ハンカチまで持ってる。
さては、これにクロロフォルムを浸して、女の子を襲うつもりですね?」
「しませんよ!」
「おや?メガネもしてますね。・・・ははあ、女湯を覗くための道具ですね?」
「そんなわけないでしょう!言いがかりですよ」
「何と、財布も持ってるじゃないですか」
「そりゃ持ってますよ。仕事終わったら一杯やっていきたいですから」
「・・・あなたを賭博の罪で逮捕します」
「えっ、賭博!?どうして捕まるんですか?」
「もちろん、『飲み行為』をするからです」
なんてんで、こうなるともう、犯罪者より警察官の方が怖いですよね。
微笑亭さん太