弁当百態
そこで売られているお弁当のネーミングが話題になってましてね。
というのは、他社との差別化を図る目的で、
社長さんが主力商品の弁当や総菜にインパクトの強い名前を付けているんですね。
【オサレ弁当】とか【かわいい系弁当】【マジ卍弁当】なんてのは序の口で、
厚さが約十センチもある【食べづらいサンドイッチ】とか、
お客さんが戸惑う【たしか広島産カキフライ弁当】なんてのもあるんですね。
極めつけは
【カイザーナックルハギシリ弁当】とか【上上下下左右左右弁当】という、
もはや意味も中身も判らないというお弁当もあるんですね。
値段的にはとてもお安く、味も美味しいそうですから、
ちょっと宮崎まで買いに行きたくなりますよね。
学生さんは、お昼に学校で食べるお弁当が何よりも楽しみという人は多いですよね。
ある高校生の男の子が、いつものようにお弁当を食べようと蓋を開けたら、
中を見て固まってるので友達が
「おい、どうしたんだよ?」
「これ見てくれよ」
見てみると、全く同じように盛りつけされたオカズが入ったタッパーが二つ並んでるんですね。
「ウチの母さん、同じタッパーにご飯とオカズをそれぞれ入れて、
セットで持たせてくれるんだけど、間違えてオカズのタッパーを二つ入れちゃったんだな」
「えっ、どういう事?」
「俺はまあ、これでもいいんだけど、弟が可哀想なんだよな・・・」
その頃、中学生の弟さんは学校で、
ご飯のみが入ったタッパー二つを目の前にして茫然としてたそうですけどね。
それくらいの間違いなら、まだ笑い話になるからいいんですが、
中には本当に戸惑ってしまうような間違いもあるようでして、
「今日、お昼に学校で弁当食べようと思って蓋開けたら、
ご飯にふりかけで【こんや】って書かれてあって、
ハート型にした梅干しが添えられてたんだよ」
「・・・それ、ひょっとして」
「そう、お袋が親父の弁当と間違えて入れたんだよ・・・俺、どんな顔して帰ればいいんだろ?」
これはなかなか、お母さんの顔が見辛いですよね。
「この前、カミさんと喧嘩した翌日、会社で弁当開けたら、
森永キャラメルが詰め込まれてたんだよ」
「何だい、それ?」
「これが、キャラ弁だってさ」
奥さんを怒らせると、ろくな事はないみたいですね。
微笑亭さん太