古のアスリートたち
間違いなくトップを争うはずであった『東京オリンピック開催!』というのが、
『まさかの東京オリンピック延期!』に変わってしまったのは、
ありえないくらい衝撃的でしたよね。
来年には無事に開催できる事を祈るばかりですが、
オリンピックだけではなく、小中学校の運動会も、
軒並み中止や延期に追い込まれてますよね。
二〇〇〇年以降、【体育の日】は十月の第二月曜日となってますが、
それ以前は十月十日と定められていたわけです。
これは一九六四年に行われた前回の
東京オリンピックの開会式が十月十日だった事を記念して、
この日を国民の祝日としたからですね。
その影響で、小・中・高等学校などの運動会は秋に行われる事が多かったんですが、
近年では秋の台風など、気候の影響を考慮し、
五月頃に行われる事が増えてきてますよね。
そんな運動会が日本で最初に行われたのは、一八七四年・明治七年なんですね。
場所は当時、東京の築地にあった海軍兵学校の寮で、
所属する十代~二十代の本科・予科の生徒が中心となって行われたんですね。
当時は【運動会】に該当する日本語がなかったため、
日本初の運動会には【競闘遊戯会(きょうとうゆうぎかい)】という
物々しい名前がつけらたんですね。
何か高貴な感じがしますよね。
競技の合間に社交ダンスとかしてそうですよね。
その時に行われた競技も、イベント名に負けぬ仰々しい競技名が付けられていたんですね。
【燕子学飛(つばめのとびならい)】なんという競技は【三百ヤード走】の事でして、
メートルに直すと【二七十四メートル走】という、ちょっと中途半端な距離ですね。
同じく【老狸打礫(ふるだぬきのつぶてうち)】というのは【ボールの遠投】でして、
何で【ふるだぬき】なのかがよく判りませんよね。
【棒高跳び】の事は【蜻蛉飜風(とんぼのかざがえり)】、【競歩】は【野鶴出籠(かごのにげづる)】、
【おんぶ競争】は 【乳猿避猟(こもちざるのかけぬけ)】と表記されたそうで、
説明してもらわなければ昔話のタイトルか、
忍者が使う忍術か何かとでも思ってしまいますよね。
案外、昭和のヤンキーだったら読めるかもしれませんね・・・
愛羅武勇(アイラブユー)とか書いてたくらいですから。
「えっ、何、最初の運動会には【棒高跳び】があったの?凄いね」
「そう、棒高跳びなんて、なかなか【ハードル】が高いだろ」
中には【須浦汲潮(すうらのしおくみ)】という、
頭の上に水を入れた桶を乗せて五十ヤードを走る競争という、
競技自体が意味不明なものもあったようで、一度見てみたかったですよね。
ちなみに、この運動会のトリを飾った競技は
【中原逐鹿(もろこしのしかおい)】という競技で、響きは他の競技と同じく優雅ですが、
これは当時イギリスの祭りなどでよく行われていた、
子豚を捕まえる【豚追い競争】だったのだそうでして・・・
グラウンドを子豚が駆け回る様子を想像すると、ワクワク感が半端ないですよね。
微笑亭さん太