皮った使い方
夏痩せどころか夏太りしてしまったという方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
「最近、お前ちょっと太ったんじゃない?」
「そうなんだよ。だからダイエットしようと思って、買い食いなんかを一切止めて、
その分のお金で、友達にご馳走してたら、逆に太ったみたいなんだよ」
「えっ、どうして?」
「おごってばかりだったんで、太っ腹になっちゃったんだよ」
ダイエットと言うと様々なダイエット法がありますが、二〇〇六年頃、
『朝食にバナナを食べると痩せる』という『朝バナナダイエット』が流行った事があり、
日本各地でバナナが品薄になったなんて事がありましてね。
バナナは今、いつでもどこでも売っている庶民的な果物というイメージですが、
かつては 高級舶来果実で、滋養強壮に役立つ高栄養食品として知られていたわけですね。
もちろん今も、栄養面から見ても優れた特性を持っていて、
カロリー、タンパク質は ジャガイモに匹敵するほどですし、
カルシウム、カロチン、繊維質などをタップリ含んでいて、
特にビタミンAの含有量は、果物の中ではトップなんですね。
また バナナの糖分は体の中で消化吸収しやすい果糖やブドウ糖に変わるので、
病気の時にはうってつけなんですね。
ですから『風邪を引いたらバナナ』というのは栄養学的にも正しい 考え方なんですね。
バナナの実を食べて美味しいのは言うまでもありませんが、
実はその【皮】も、なかなかの優れものでして、様々な用途があるんですね。
代表的なものとしてば【靴磨き】に使えます。
バナナの皮の内側で靴を磨くと、たちまちピカピカになるんですね。
かと言って、街角にいる靴磨き職人が、おもむろにバナナで拭き始めたら、
ちょっと抵抗があるんじゃないかと思いますけどね。
それから【フェイスマスク】としても使えるんですね。
バナナの皮に含まれている酵素が、お肌の健康を促進する効果をもたらすんですね。
中性石鹸で顔を洗った後、バナナの皮を顔全体に貼りつけ乾燥させ、
最後はぬるま湯で洗い流すんですね。
「あなた、見て見て」
「うわっ、お前、バナナの皮を顔に貼りつけて何やってんだ?」
「美容のためよ。これで少しは綺麗になれると思うわ」
「あ~、なるほど。
確かにバナナの皮のインパクトが凄くて、お前の容姿の衰えが誤魔化せるな~」
そういう事ではないんですけどね。
意外な効果としては【蝶を呼び寄せる】なんてのもありましてね。
美しい蝶が庭を飛び回るのを見るのが好きという方は、
バナナの皮を刻んで庭のあちこちに撒くと、
蝶はバナナの甘い香りが大好きなので寄ってくるんですね。
「バナナの皮で蝶が寄ってくるって聞いたから、
バナナの皮を持って、いわゆる【夜の街関連のお店】へ行ってみたんだよ」
「バナナの皮を持って店へ?どうして?」
「甘い香りに誘われて【夜の蝶】たちが、俺に寄ってきてくれるんじゃないかと思ってね」
「なるほど、そういう事か。それで寄ってきたの?」
「うん、寄ってきた事は寄ってきたんだけど、どう見ても蝶じゃなくて【蛾】だったんだよ」
なかなかうまくいかないものですね。
微笑亭さん太