アート驚く交番
小さなお子さんや高齢者、女性の方々は特に防犯には気をつけていただきたいですね。
交番というと、街の安全を守るため、あちこちにあるわけですが、
東京都内には、まるで芸術作品のような交番が沢山あるようですね。
一九八〇年~九〇年代にかけて建てられた『デザイン交番』と呼ばれる数多くの交番は、
スター建築家たちが、無名の頃に手がけた作品が幾つもあるんですね。
これは東京都が、公共施設のランドマーク化を目指して一九八一年にスタートした、
『文化のデザイン事業』の一環で建てられたものでして、
その第一号である数寄屋橋交番が完成してから四十年近くが経つそうですね。
何しろ通常の二倍の予算をかけ、世界的に活躍されている、
団紀彦さん、北川原温さんといった、日本建築界の重鎮が
設計者に名を連ねてるといいますから、良いものは時代を経ても
色褪せないという事なんでしょうかね。
八五年に建てられた渋谷署宇田川交番は、
『ポストモダンの旗手』として注目された鈴木エドワードさんって方が設計されたんですが、
見た目は完全に『ロボットの顔』ですからね。
お巡りさんがスイッチを押したら、
変形してモビルスーツになるんじゃないかと思うんですが、
やはりインパクトは絶大なんですね。
一見してパトカーとは判らない『覆面パトカー』というのがありますよね。
一般車に紛れ込んでいるために気付かずに、覆面パトカーを猛スピードで抜き去って、
切符を切られた方もあるでしょう。
それに倣って『覆面交番』なんてのが出てくるかもしれませんね。
見た目は一般住宅街にある、ごく普通の民家なんですけど、
実はそれが交番だったりするんですね。
「あら、山本さん、随分とティッシュの箱を抱えてるわね」
「そうなのよ、高橋さん。
角のスーパーでティッシュの安売りしてて『一人二箱まで』って言われてたんだけど、
ウソついて三回も並んじゃって、こんなに買ってきたのよ~」
「ウソついて三回も?・・・山本美佐子さん、あなたを虚偽申告の容疑で逮捕します」
「え~っ!?た、高橋さん、あなた警察官だったの?」
ふと見ると、『高橋』という表札が裏返って桜の代紋が出現したりするわけですね。
これは騙されちゃいますよ。
「ねえ、聞いた?高橋さんのお宅、覆面交番だったんですって」
「ええっ、そうなの!?」
「うん、私たちの違法行為を密かに監視してたのね~。
私、今夜の夕食のおかずがトンカツだって知られなくてよかったわ~」
「何で?」
「逮捕されるからに決まってるじゃないの、『今日カツ罪』で」
「そんなわけないでしょう。
それだったら、私だって台所のゴキブリに、ゴキジェットかけてるとこ見られたら
逮捕されちゃうわよ・・・『殺虫罪』で」
「何言ってるのよ。
だけど高橋さんって、腰が低くて控えめで、とてもそうは見えなかったわね」
「やっぱり、警察官だから謙虚(検挙)な人なのね~」
なんてんで、こんな交番も出てくるかもしれませんね。
微笑亭さん太